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カエルの王子様の反論、沈黙の眠り姫

諸君、"ペニパン"… というものをご存じだろうか?

男性器を模した突起物が股間に取り付けられている卑猥なパンティーのことだ。

主にレズプレイをするときに男性役になる女性が穿く下着のようなものだよ。

わかったかい坊や? え? レズプレイがわからない? 仕方のない奴だ…

レズプレイとは簡単に言うと女同士の愛の営みだ。 女同士で愛し合うにはペニパンは必要不可欠なものなのだ。 まぁ、ダブルディルドーというものを使う場合もあるが、それについてはここでは語れない… なぜならこの小説はR15指定だからだ。 ここでダブルディルドー… 別名、双頭ディルドーとも呼ばれるものの説明をやってしまうとR15からR18に引き上げなければならなくなる。 そうなると坊やのように親御さんにフィルターをかけられた端末からは小説が読めなくなってしまうのだよ。

それは嫌だろう? 何も知らない坊やには響き的に何かの必殺技のようにも思えるかもしれないね…


「喰らえ! ダブルディルドー!!!」

「相殺する! ダブル・ペネトレーション!!!」

「ならばッ 秘技! シックスナイン!!!」

「ふッ、効かんな… 最終形態のドギースタイルになった私の前ではな!」


どうだ? なんかカッコイイだろ?

少年誌で人気連載中の王道バトルものを想像できるだろう?

だが真実は違う… もしも知りたければ悪いことは言わん、ググれ!

真実を知りたければ、なんでも知ってるウィキ先生を頼るといい!


と、ペニパンの説明だけで短編とは思えないほどの文字数を浪費してしまったが、話の続きをしようではないか。 

このまま続けると文量の3割をペニパンの説明にあててしまうことになる…

それはよろしくない! では話の続きをしよう。

下半身丸出しで亀甲縛りされて涙を流している俺に救いの手を差し伸べたのは、見覚えのないペニパンを穿いた女だった… 女は俺が呪いを解いた恩人であることを証明するために、証言台に立っているのだ。


「アンタ誰だよ… 俺は知らないぞ」

「覚えてないのですか? 私は『カエルの王子様』です」


あ… 『カエルの王子様』… 思い出した! 確かに俺はこの女を知っている! グリム童話の『カエルの王子様』をご存じだろうか? 

簡単に言うと、お姫様の前にカエルがやってきて「自分は王子様で、キスで呪いを解いてほしい」と言う。 でもお姫様は「えー カエルにキスとかチョー無理なんですけどー ありえないんですけどー」と言ってカエルをブン投げて壁に叩きつける… すると叩きつけられた衝撃で呪いが解けてイケメン王子様が出現! 「えー チョーかっこいいんですけどー マジでイケメン! ウケる! 結婚して欲しいんですけどー」というハッピーエンドを迎える、超絶クソな内容の話である。


昔、俺のもとにもカエルがやってきたのだ。 カエルの言った内容は全く同じ「自分は王子様で、キスで呪いを解いてほしい」というものだ。

俺もカエルにキスするのは無理だし、ましてや王子様って… 男にキスするのも無理! という訳で俺の場合はダブルで無理だった。 だから俺もグリム童話と同じように壁に叩きつけてやった。 そしたら目の前にグラマラスな女体が出現したのだ。 スゲェ綺麗な女の子で俺はたまらず興奮した。 俺の8人目の小人が帽子を脱いで立ち上がり、紳士的な挨拶をしたわけだ。

そして俺は据え膳食わねばなんとやらって言葉に習って、自力で呪いを解いたカエル女を抱こうとした。 でも超絶拒否された。

「ごめんなさい… 私、男に興味ないの」って言われて拒否された。

俺はどちらかというと卑屈なブスに部類する方だから一瞬、「ブサメンだから拒否された」と思い込んで被害妄想をたれ流していた。 だが、どうやらそれは違かったらしい。

彼女はいわゆる性同一性障害というやつだった。 心は男である王子様なんだけど、体は女で生まれてきてしまったというわけだ。

なるほど… それで彼女はペニパンを穿くという道を選んだのか… 納得!

ようやく状況が呑み込めた。 昔の回想は止めにしてそろそろ裁判に戻ろう。 今、重要なのはペニパン女が俺の味方だということだ! 


「裁判長! 私は被告の無実を訴えます!」

「根拠は何かね?」

「彼によって呪いが解かれてきた事実を無視されるおつもりですか?」

「ううむ… それは確かに…」

「異議あり! こちらにはまだ被告に性的暴行を受けた被害者の証言があります!」

「ふむ… 証人をつれてまいれ!」

「証人は被告に夜這いされたと泣いております… 眠り姫!こちらへ来て下さい!」


ペニパン女が証言台を降り、かわりに眠り姫が証言台に立った、

眠り姫は甲高い声で「私が永久の眠りについていることをいいことに卑劣なブサ男である被告が夜這いをうんたらかんたら…」と舌を捲し立てて叫んでいた…

だがそんなことよりも重要なことがあった。 眠り姫は今でも"永遠の眠り"についているのだ!

永遠の眠りについているのになぜ証言が出来る?

おかしいと思わないか? なぜ誰も気づかない?

なぜ眠り姫の体がビニールでできていることに誰も疑問を持たない?

明らかに空気を入れられて膨らんでいる眠り姫のボディに疑問を持たないのはどうしてだ? アレ人間じゃないよね?

そして人間じゃないダッチワイフを片手に腹話術してるの白雪姫だよね? アイツ何なの? アイツ何で証言台に立ってるの?  

てかアレは俺の南極2号じゃねぇかよ!!!


と、裁判の途中だが少しだけ中休みを挟もうじゃないか。 坊やたちは南極2号が何なのかわからないだろう? 軽く説明をしなくてはなるまい。 南極2号とは別名、ダッチワイフと呼ばれるお人形さんのことで、その局部には…

おっといけない! R18指定になるところだった。 あっぶねぇ!!! まぁ、簡単に言うとエッチなことを色々するための人形だ。 そんな人形になぜ南極2号という名前がついているのか… 坊やたちは知らないだろう?

それには深いエピソードがある。 昔、日本に南極大陸を探索する部隊があってだな…

寒い寒い南極大陸の観測施設で過酷な軟禁状態のまま働かなくてはならない男性隊員のために作られた人形、それが南極とよばれる人形だ。

簡単に言うと『日本の国家予算で作った性欲処理のためのお人形さん』!!! それが南極シリーズなのだ!!!

ミミズ千匹、カズノコ天井、巾着、ツルシ、イボ… と、日本の偉い研究者たちが名器を研究し、国民の血税を使って作られた最高のアレを局部に搭載した南極の気持ち良さは人体を上回り、南極大陸から帰還した旦那が妻を抱けなくなるほどだと言われ…

おっといけない! あやうくR18指定になるところだったぜ! あぶねぇあぶねぇ!

これ以上知りたければググれ! 何? ウィキ先生には嘘が書かれているだと? まぁ確かに誰かわからん人間が書いてる上に誰にでも書けるからな…

そういう時はだな、はてな師匠に尋ねると良い! おそらく名作映画である南極物語を見ても感動できなくなってしまうだろう! タロとジロの名犬たちの感動ストーリーの裏で繰り広げられるダッチワイフを抱く隊員たち! どうだ! 泣けるものも泣けなくなるだろう? うへへへへ!

と、冗談はここまでにしよう。 このままでは文量の半分をペニパンとダッチワイフの説明で使ってしまいそうだ。 それはよろしくない! 裁判に戻ろうじゃないか。 それにこのまま続ければ日本の名作である南極物語を汚したとして訴えられるかもしれない。 リアル裁判が行われるかもしれない…

それは危険だ! 話に戻るぞ!

俺は眠り姫と呼ばれている南極2号に向かって叫んだ――


「待てぇぇい!!! あれ眠り姫じゃねぇじゃん!!!」

「被告人は黙りなさい! 発言を許されていません!」

「な… ちょッ でも…」


俺は狼狽えながら弁護人である妻の方へ視線を送る。

すると妻は爪をいじっていた… 美容室でやってもらったネイルが剥がれてないか確認するのに忙しいようだ。 クソ女め… 奴はもうあてにならない。 俺は唯一の味方であるペニパン女に視線を送る…

「た… たすけてくれ…」

そんな俺の視線に気づいたペニパン女は助け舟を出してくれた。


「異議あり! 証人は眠り姫ではなく、南極2号と呼ばれるダッチワイフです!」

「ほぅ… 異議を認める! ただし弁護人は証人がダッチワイフであることを証明しなさい!」

「わかりました…」


ペニパン女は白雪姫から南極2号を奪いとった。 そしてツカツカツカ、とハイヒールが床を鳴らす音がこちらに近づいてくる… 彼女は俺の前に南極2号を差し出した。


「いつものように実演して」

「え…?」

「いつも抱いてるようにやってみて!」

「はあぁぁぁッ!!?」


あ、アホかぁぁぁッ!!! ここで!!? 今、ここで!!?

南極2号を抱けと!? 頭のネジぶっ飛んでんのか!?

お前の出した助け舟は今にも沈みそうな泥船かよ!!!

状況を整理しよう…

俺は今、下半身丸出しで亀甲縛りをされていて裁判長、検察官、白雪姫と7人のガチムチお兄さん、そして妻が見守るなか、ペニパンを穿いた女にダッチワイフを渡され「抱け!」と言われている。

つまり簡単に言うと、もう死にたい状況である。

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