取り替えっこ!
「ところで、その船長…クラリスさんは、樹の精霊でどうやって姿を変えてるんですか?」
「―――これも遺跡で発見された特殊化粧室と呼ばれる特殊な部屋があるんだが…その部屋でしか変化は出来ない、解除もその部屋に戻らなければ出来ない…多少不便ではあるけどな」
「またあれですか、仕組みは分からないけど使ってるってゆう…」
「まぁ、そうなるね…使い方は部屋の中に掘ってあったんだ」
「そんな国の秘密みたいな事を俺達に話ちゃっていいのかよ?」
「構わないさ、誰でもが使える訳じゃない…条件が厳しくてそれに合うのが彼女しか居なかったんだ」
「条件?」
――う〜ん…
リリスが寝返りをうった…。バカッ!――リチャードの方を見ると、良かった気付いてない様だ。ゆっくり、船長の方を見ると…み、見てる!リリスを凝視している!
「条件は何個かあって〜…」
「ねえ!その話はもういいわ……あなたの肩の人形動いてな〜い?ちょっと貸してよ?」
あの甲高いアニメ声で割り込んできた。うわ〜…リリスのバカ!
「えっと〜これは、肩にくっついてるから取れないんだ!ゴメンね」
誤魔化せたか?
「本当に〜?何で動くのよ?いいなぁ〜」
「い、今こっちの島では大人気の動いて喋る人形なんだよ!」
「ん〜…分かった!私の宝物の…このセーラー服マーメイド・プレミアムバージョン!ロブスターモデル!と交換してあげる!」
船長は、胸ポケットからセーラー服何とかのフィギュアを取り出して恭に差し出した。
「あっ、いや、そうゆう訳には〜…」
「ぶははっ!あげちまえよ!そんな人形!」
ジュネは、完全に恭と船長のやり取りを楽しんでいる。
「また!そんな簡単に!えっと〜こ、この人形は死んだ仲間の形見なんだ!形見って分かる?とても大切な物なんだ」
「…そう、なら仕方ない諦める」
いかつい船長は、悲しそうに下を向いてフィギュアを胸ポケットにしまった。可哀想だが仕方ない、いくらなんでもあげる訳にはいかない。
「形見?誰の?誰が死んだんだ?」
また、余計な事を…。
「ジュネさんの知らない人です!」
再び三人のフィギュア争奪戦が10分程続くのであった。