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聞け

『叫び』



じわりじわりと肌を塗る暑さ

ひやあっと肌を叩く寒さ


その転換期が 今ここに ある



なんだろう


この時期になると心が落ち着かない

大人しく座ってられない


だけど嫌いじゃない


更に雨でも降れば最高だ



己を囲う何かが

四季の移り変わりと

時を同じくして

変わりつつあるのだ


まさしくそれは

蛇の脱皮のような



だから

今の私を覆うそれは

とても薄い


とても

とても


こんな時

大声で天に叫んでみたら


どんな気分になるだろう


血が出るほどに

喉から潤いが消えるまで


叫び続けたら



きっと、気持ちは良い



自分の中が空っぽになるような

気持ちよさ



ああ なんて爽快!





だけど



叫び終わった時



それでもまだ気持ちは


良いだろうか



全てを出し尽くした体にあるのは


虚無感





叫んだ自分の周りは

何かも無いかもしれないね




それでも

四季は私を襲うのよ















『ざわめき』



台風が去った次の日の夜

ひんやり涼しげな真夜中

窓から見える黒の外の黒い並木


さわりさわり

ざわりざわり


静かに、でも確かに流れる冷たい夜風

こんな日は

とても胸がざわめく


さわりさわり

ざわりざわり



いつも見ているはずの木が

見知らぬお化けになったかのように

側で葉を揺らし幹をしならせた


お化けが言う


聞こえるかい、と



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