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思い出の曲

作者: 恭愁

私と彼は出会ってすぐに付き合った。

彼に出会った時に運命という言葉が浮かんだし彼も私と出会った時に運命を信じたらしい。

三月の出会いの春だった。付き合ったきっかけはよく覚えてない。

ただ、あたしがすごく好きな曲を彼も好きでそこから話が盛り上がった事は覚えてる。


その曲は彼氏が彼女の死とぶつかって…前に進むわけじゃないけど楽しかった日は胸の奥で生きてるから。

夢の中で会った彼女は何も変わってなくてこのまま夢がさめないで欲しい。


そんな歌詞で切なくて悲しいけどすごく綺麗な曲。

お互いそんな経験はないけれどなぜか共感できる曲だった。

私たちは今の状態、気持ちを曲に例えて言うのが好きだった。

例えて言う曲は幸せな曲ばかりだった。

一緒に住みはじめてからも買い物に行く時はお気に入りの曲を口ずさむ。

手をつないで一緒に歌う時間が一番好きで毎日が楽しかった。

たまに他の人に聞かれて恥ずかしくて二人して顔を真っ赤にしていた。


そんな彼との生活も長くはなかった。

少しのずれが彼との別れの原因になった。

彼の家はかなり複雑だった。

その反面、私の家は裕福ではないけれど家族仲良く幸せな家庭だった。

彼は私の家にくるのが苦痛になってしまった。

だけど私はすぐに気付く事ができなかった。


もしも俺がこの家に生まれてきたら幸せだったのに。なんで俺だけ…

私にはその気持ちを理解できなかった。

でも必死に理解しようとしていた。

だけど同情しか浮かばなかった。

そして些細な喧嘩の時にやっと彼の本音がわかった。

彼はあたしに『大丈夫。二人で幸せな家庭を築いていこう?辛い思いはさせないから』

そんな言葉が欲しかったらしい。

私は大丈夫?辛いよね…そんな言葉しか浮かばなくて…自分が情けなくてただ泣くしかなかった。

ごめんね。って何度も何度も繰り返し言った。

考えれば簡単だった。

彼は幸せな家庭を知らない。どうしたらそうなるのかがわからない。

あたしは幸せな家庭しか知らない。

そう考えるとあたしが『幸せになろうね。』

の一言だけで良かったのだ。


あたしはすぐに『絶対に幸せになろう。』

そう伝えた。

彼は笑顔で

ありがとう。今すごく幸せだよ。親とのもめ事を解決してくる

そう言って家に帰った。

あたしは嫌な予感がした。だけど彼が戻ってきたら幸せな毎日に戻れると思った。

彼が家帰っている間、私も実家に戻っていた。

最近あまり帰ってなかったので彼が戻ってくるまで家に居ようと思った。一週間後、彼のお姉さんから連絡があった。

それはあまりにも悲しい知らせだった。

急いで一緒に住んでたアパートへ行くと、一通の手紙があった。

それは彼からで内容は


『今までありがとう。親とのもめ事を解決させるどころか悪化させちゃった。

正直この幸せが続かないかもしれないって不安なんだ。だからせめて幸せのまま死にたい。

亜希のせいじゃないからね?亜希が最期に愛する人で俺は幸せだよ。』

信じられなかった。

彼はあたしが思ってたより弱かった。

それを気付く事ができなかった。

すべてあたしのせいだ。

しばらくあたしは何もできなかった。

彼のいない世界に興味はなかった。

もうだめだ。そう思った時、

夢に彼が出てきた。

夢の中の彼は一緒にいた頃と何も変わらず笑っている。

そんな夢が続いた。いつも目が覚める前に夢からさめないで欲しいと願った。

そしてふと思い出した。

今のあたしはすごく好きな曲と似ていた。

同じではないけれどすごく似ていて…

だから目の前の辛い事実より彼と過ごした幸せな日々を思い出す方が気が楽になったような気がした。

正直まだ前に進めない。気が付いたら涙を流してる。だけど彼を好きでいれる自信はあるから。

すぐに彼の傍には行けないけど彼の分までいろんな世界をみたいと思う。

大好きな曲から思い出の曲に変わったけれど。

相変わらず口ずさむよ。

そっちで待っていてね。



初心者ですのでわかりにくい文章になってしまいました。すみません。

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― 新着の感想 ―
[一言] つらく心を苦しめるものだった思い出の曲が、少し突き放して懐かしく聴けるようになったその感じ、分かるような気がします。 心の中のことを語っている文章が多くて、うまく情景が浮かばず、小説としては…
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