再会
「いやー幸せよ。俺」
春であり4月だった。確かに新入生というのはある程度は不安でもあるが希望に胸を膨らませてあたらしい学校だったりに通うものだろう。
入学式の翌日の時点で幸せと公言するのは山岸和である。
昼休みに連と共に机を並べ弁当を食っているわけだが、弁当を食べていることに対して幸せと言っているわけではないだろう。
こいつはよく主語を抜いてしゃべり出す。
長い付き合いだから言いたいことは大体分かるのだが、連は弁当の卵焼きを必要以上に噛んでから飲みこみ聞いた。
「何が?」
「何がってそりゃこの学校の美女率の高さだよ!やばいぜ」
やっぱりな。大方午前中にあった身体測定の時に物色してたんだろ並ぶ時間も長かったからな。
「しかも!なんとまさかの再会ですよ。俺の青春フラグがたちまくりですよ」
腰に手を当て和は笑う。
「再開?誰がいたんだ。小中で転校したやつらか?」
連たちの通っていた学校は小学校、中学校と1学年1クラスしかなかったので、転校転入生はほとんど覚えている。ちなみに同じ中学からこの高校に入学したのは連、和を合わせても5人しかいない。と、言っても新栄高校への進学者が最多なのだ。
「違う違う。12月に街に行った時に会った人だよ」