私は津々田ゆらを許せないのかもしれない。
そんなこんなで、学校生活を楽しんでいたある日のことだった。先生から、マドンナのことについて、話があった。しかも、私に、個別でだ。
「実は、津々田さんが、どうしてもあなたに会いたいと言っていまして。今度、お見舞いに行ってくれませんか?」
とのことだった。私は、最初は迷ったけど、ちょうど言いたいこともあったので、先生の言う通り、マドンナの家にお見舞いに行くことにした。
と言っても、マドンナと私は入れ替わっているので、もう家の住所は、完璧に覚えている。だって、ほんの前まで、私の家だったんだもん!まあ、もうだいぶ、マドンナの家についてもわかってきたし、何の問題もないっしょ!
と、いうことで、後日、マドンナの家にお見舞いにきた私。でも、もうマドンナというか、ほぼ奴隷だけどね…笑。ざまぁー!そう思いながら、インターホンをならした私。
「ピンポーン、 ピンポーン。」
家のインターホンがなった。聞き慣れた音だ。もうこの人生で、何回聞いてきただろう。少なくとも、100回以上は聞いていそうだ。
そうこうしているうちに、今ではマドンナの両親となった人たちが出てきた。
でも、もうこの人たちには、何の関心もない。自分に虐待してきた両親を好きになれる?いや、少なくとも私は、到底好きにはなれないと思う。…たとえ、この人たちが、全力で罪を認め、謝ってきても…。
しばらく待っていると、家の中から、マドンナが出てきた。私が前まで着ていた、ギチギチの服と、今にも倒れそうな程の、疲れ切った体。心の底から、「ざまぁ」と思った。こんなにも、嬉しくて、憎らしい気持ちは初めてだった。
両親とマドンナから案内されて、マドンナの部屋に入る。そして、2つ並べられた椅子に腰掛ける。マドンナが何かを話し始める前に、私は口を開いた。
「…ざまぁ。ざまぁざまぁざまぁざまぁ!」
なんだか気持ち悪い感情を、言葉で吐いた感じがした。あー、すっきりした。でも、マドンナも私も、そこで終わるような女じゃない。
「…は?マジでお前なんなの?入れ替わったからって、調子乗んなよ!ガチでうぜぇから!」
やっぱり、マドンナはマドンナだった。あっそ。と思った。もともと、この人のことは嫌いだったし、いつかこうやって言い合うことになったら、絶対に負けないと誓っていた。
…だから私は思った。…こいつを…、津々田ゆらを殺そうと…。




