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私は頭がおかしくなりそうだったのかもしれない。【side津々田ゆら】
怖かった。どうしようもなく怖かった。勝ち誇ったような目で、顔で、私を見つめる、「市川彩葉」が怖かった。初めてだった。今までは、逆の立場だった。なのに…。
「やめて!」と、誰かに叫ぶこともできなかった。ただただ苦痛だった。でも、戻る方法もわからない。
学校から帰ってきた家では、当たり前のように、「市川彩葉」がいた。笑っていた。怖かった。泣きたかった。でも、できなかった。笑っていないと、本当に頭がおかしくなりそうだったから…。




