表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
残念ハイスペ女子なんて言うな  作者: あたまんなか
3/55

小学校時代

       


        小学生時代




わたしは生まれた時から大きかったらしい


ママが言うには初めての出産で3800㌘の赤ちゃんは大変だったんだって


『ネオンは大きくて初産のママ大変だったんだから』


小さい頃の話しをする時ママはいつも笑顔でそう言ってた

生まれた時から手も足も大きかったんで周りから『大きい子になるぞ』なんて言われてたんだって


ー 当たってたけど ー


『生まれた時のネオンの手はカノンの手の倍くらいあったぞ!」


こっちはパパがカノンによく言う台詞


パパが背が高かったからきっとパパ似なんだろうな なんて言われてたらしい


ー 顔はママ似でよかった♡ ー


スクスク成長して周りも安心してたみたい

背もおかしな言い方だけど小さい頃から高かった

幼稚園頃まではその大きさからわたしは頼られキャラだったんよね

わたし自身もその頃のことはよく覚えてる


「ねおんちゃん あれ取って!」


友だちから高いところのものを取ってほしい時とかよく頼られたもんだった

もちろん背の順で並んだ時にはいつも一番後ろだった

小さい時はホントに背の高さで有利なことが多かったんだよね


小学生も4年生くらいになった辺りから風向きが変わってきた 今思えば男子が女子を異性として意識し始める頃なんだろうな、その頃の男子がなにやっても勝てない女の存在を疎ましく思う本能のようなもんかも

 

1年生の頃からずっと背の高さ1番のわたしは冷酷で残酷な子どもの、とくに男子のからかいの標的にされ出してきた

 

4年生の頃、一度あまりにしつこいからかい方に腹が立って軽く男子を押したことがあったんだけど わたしの想像以上にその子が吹っ飛んでケガしたことがあった

わたしはいくら理由を説明しても先生たち大人はケガさせたわたしばかり注意してさ、幼いながらに理不尽を感じたもんだった まだ怒りの感情のコントロールの仕方も上手に育ってない状況だったのに


親にも怒られた 『あんたは大きいんだから手加減しなさい!』って 


わたしをからかった男子の親にも謝らされた 

全部意味がわかならかった

それ以降わたしは手を出さないって決めたんだ

なんにも悪いことしてなくてもわたしのが怒られる

親にも迷惑をかける 

いいことなんてなんにもなかったから


ーわたしがガマンすればいいんだー


当時のわたしが思いついた唯一の方法だった

それからわたしのガマンが始まった


それでも忘れられない記憶もあるんだよな

給食の時 からかってくるグループの男子が当番だった日にはいつも大盛りにお皿に入れてくる

わたしは背が高くてもそんなに食べる方じゃなかったのに 『ネオンはデカいんだからこんくらい食べなきゃ身体もたねーよな サービスしとくわー』あからさまな態度に大好きな給食の時間もこいつら当番の時には憂鬱になったもんだった

なにかにつれ執拗にからかってきてた


「男子なんかほっときなよ」


「あいつらバカだから相手にしないよーにしよっ」


そんな時でもいつも味方は女子だった

ことあるごとにわたしをからかう男子と庇ってくれる女子で対立してる状況はありがたかったけど子どもながらに心苦しく感じることもあった

わたしは大きく強かったから男子は敵うわけもなくからかうしかできなかった

女の子がいじめられたりからかわれたりしてるとわたしはすぐに助けに行った


「ネオンちゃんありがとう」


小学生の間どれだけありがとうって言われたことか

ほとんど女子からだけど 

女の子みんな仲良しだったからわたしは学校に通えてた 

楽しいとさえ思えてた 寂しいなんて思うこともなかった 女の子の友だちさえいれば男なんて必要ないって思えてた


運動会は独壇場だった 普段の鬱憤を晴らすかのように思い切り暴れた 身体を動かすのは大好きだったんで体格を活かして活躍してた 

リレーで男子を抜かすのサイコーだったな

修学旅行も遠足も楽しかった 女子からは頼られてたしね 6年生の時に同じクラスに脚の悪い女の子いて遠足とか出かけるたびにわたしが付き添いしてた

なんかあっても軽々抱っこできたし

あの時ほど自分が大きいのが活かされた時はないって思ってたほど


だけどやっぱ偏った小学校の頃の思い出…


わたし、なんか悪いことした?

みんなより少し背が高いだけ それってわたしのせいなの? からかわれだしてからわたしはずっと考えるようになった 同じことを

なんにも悪いことしてないのに負けたくなかった

だから一人で頑張れることはたくさん頑張った

もちろん勉強だって


理不尽ないじられ方 バカな男子たちはおもしろがってるみたいだったけどわたしにしたら1ミリも楽しくなんかなかった 

相手するのもバカバカしかったからわたしは一人でも楽しめる読書にはまっていった


ある日図書室で偶然読んだ一冊の本がわたしを読書の世界へといざなった

その本にわたしは感銘を憶え読書の素晴らしさを理解した 本の持つ力に触れたと感じた

その本を読んだのを皮切りにわたしは更に読書にハマっていった

小学生の頃の味方と言えば女子と本だったと言えるくらいに…













評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ