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0.4.7.4 ポトフちゃんと縄張り争い

農園側の門を抜けて、街の外の開けた場所へやってきました。

そこへ、うさちゃんがぐうちゃんを呼び出す。この子に乗って空を飛んで、今日の狩り場に向かうよ。


ぐうちゃんの背中に抱えあげてもらって跨り、私を抱え込むようにうさちゃんも後ろへ乗る。


「よし、準備はいいな?」

「はい!」

「いくぞ!ぐうちゃん!」

「ぐぉぉん!」


うさちゃんが合図を出すと、ぐうちゃんは大きく真上へ跳躍!翼を大きく羽ばたかせ空へ。すごい!飛んでる!ドラゴンに乗って飛んでる!まさにファンタジーですよ!

ぐんぐんと高度を上げて、ついには雲の上まで来た。


「おお〜!」

「ほら、下を見てみろ......もう見たんだったな......」

「そうですねえ......」


1度ここまで来てますからね......単独で......

でもちょっとだけ気になった事が。


「この高さだとなんだか大陸が小さく見えますね。」

「お、よく気づいたな。確かにこの辺りからはちょっとずつ縮小されて見えるようになるぞ。」

「気のせいじゃなかったんですね。」


空での移動はちょっと特殊で、大雑把に説明すると、横に1メートル移動すると地上で100メートル移動したことになる......みたいな感じらしい。

あれだね、マップとか見る時に、ズームアウトして動かした方が1回のフリックで移動する距離が長くなるかんじ。

要はショートカットできるそう。長距離移動には必須だね。


「ほら、今日はあそこに行くぞ。」


そう言ってうさちゃんが指差したのは、大きな雲の塊……の下。樹海の国の最西端。あの雲はやっぱり、中に国があるんだって。




そんなこんなで、10分もしないうちに森の中の野営地へ着陸。馬車より全然はや〜い。

ぐうちゃんとは暫しお別れ。ありがとね〜!


早速、うさちゃんは大きなハンマーを取り出し、背中へ装備した。

すごいなあ……何がとは言わないけど、持ち上がってるし食い込んでるよ……


「狙い目のモンスターがこの近くにいるはずだ。敵を倒しながら探そう。」

「はい!」


周りのスタッフさん達がこぞって(ポトフ)に!とおすすめしてくれているらしいモンスター。楽しみ!


辺りを見回しながら、うさちゃんについていく。何がいるかな〜。

おっ、早速敵を発見!木のかたちをしたトレントっぽいモンスター。うさちゃんよりも大きいけど、これでも小型みたい。うわ、うろから目が覗いてるよ。


「あいつは確か、魔力は高いが素早さは低い。落ち着いて対処すれば簡単に攻撃を避けられるはずだ。」

「わかりました。」

「とりあえず俺が引きつけよう。火属性も効きやすいはずだから、ポトフ、援護を頼んだ。」

「はい!」


すごい速さで敵に向かっていったうさちゃんが横薙ぎにハンマーを振るうと、吹っ飛ぶ敵。

埋まっていた根っこがブチブチと抜けては千切れ、ズシンと地面に倒れた。


「スタンしたぞ!ポトフ!今だ!」


ヒエッ……一発で半分以上削れてるんですけど……これ私いる?ま、まあいいか。頭上で星が回ってる、わかりやすくスタンしている敵に向かって〈火矢〉!だ、だめだ全然削れない。そうだったまだ初期装備だった。しょうがないので近づいてザクザク。防御無視は正義です!無事討伐!


「やったな!」

「やりましたね!」


なんだか花を持たせられた気がしないでもないけど……うさちゃんが嬉しそうなのでオッケーです。

初めての共同作業、完!



そろそろ装備も新調しなきゃね、杖も買わなきゃね。なんて話ながら、ポコポコと湧いているモンスターを(主にうさちゃんが)殲滅しながら散策していると、キョエー!だかクキョー!だか、変な声が。


「……?今何か叫び声が聞こえませんでしたか?」

「聞こえたな……見に行ってみるか?」


音のした方へ向かうと、大きなモンスター同士が争っている!?

私達がたどり着いた頃には丁度決着がつく瞬間だったようで、片方……真っ白ふわふわなモンスターが地面に倒れ込んだ。

もう片方の、角と翼を持ったうさぎの様なモンスターは、最後にゲシッと白いのにダメ押しと言わんばかりの一撃をいれると、そのまま森の奥へ去っていった。


「な、なんですか今の。」

「縄張り争いの様なものだな。ランダムでああやってモンスター同士が戦うんだ。それが終わると、ほら、こうやって角が落ちてたりするんだ。」


そう言ってうさちゃんが拾いあげたのは、さっきの茶色いうさぎのものとおぼしき角。


「友好的なモンスターは倒せないから、素材を剥ぎ取ったりもできない。でも角や牙、そういう素材を扱いたい......で、折衷案として、何かしらの要因で欠けたやつを拾うのはいいだろうってことになって......」

「それであのケンカですか。」


なるほどわかりました。まあ、それはいいとして、あの倒れ伏している白い毛玉です。


「ぐったりしてるけど、あの子死んじゃわないですよね......?」

「ああ、大丈夫だ。離れれば消える……デスポーンはするだろうが、死ぬということはない。今も体力が回復してるはずだ......捕まえるか?」

「えっ、あの子を?」

「丁度、今日の目当てはあの羽が生えた白いうさぎのモンスターのつもりだったからな。弱っているところ悪いが……捕獲のチャンスだしな。」


この子が!真っ白ふわふわ、そういうことね。というか、この子もうさぎなのか。

まあ、せっかく見つけたんだし、このチャンスは逃しません。捕獲開始です!

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