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0.4.5.0 ポトフちゃんへ森のお土産

・ポトフがブドウの種の味付けてないのにゴインキョさんが苦味を感じていたので、ポトフも噛んでしまったことにしました。

おはようございます。今日も一日頑張りましょう!


ログインして、いつものようにぽぽ達を可愛がり、いつものように家を出るとそこにはいつものように……だ、誰だぁ!?


「おはよう。ポトフ。」「ヂッ!」

「ゴインキョさん?随分衣装が変わりましたね……そちらのリス()?は?」

「ああ、昨日服飾班の所へ行ってな……こやつはその前に仲間になったは“トッキー”じゃ。」「ヂヂッ」


ゴインキョさんはいままでの……その……言っちゃ悪いがもっさりした浮浪者スタイルではなくなっていた。


目にかかっていた髪をオールバックにしておでこを出し、服はモスグリーンのような渋い緑色服に、葉っぱの装飾がついたフード付きのローブを身にまとっている。そして肩には角の生えた緑色の大きなリスがふんぞり返っている。なんだコイツ……


なんでも昨日はレシピを見ながら料理をしたあと、森へ騎乗モンスターをテイムしに行ったそう。トッキーとはその道中で会ったんだとか。


「そうじゃ、畑のモノを餌付け用にちょっと拝借してな。」

「ああ、それば全然大丈夫ですよ。」

「そう言ってくれると助かるぞ。それで、埋め合わせ、というかお礼にコレを持ってきたんじゃが、料理に使えそうかの?」


と、差し出されたのはクリとクルミ。そしてドングリ。実はクリってまだ味見してないけど、森の中で見つけたから植えてあるんだよね。素手での皮むきは難しいから後回しにしてました。そしてクルミ。クルミってこの硬い殻の状態で実ってるんじゃなくて周りにも実?皮があるんだってね。ヤシの実とかと似たような感じかな。そんな殻の先入観があったから気づかなかったな。


そしてドングリ……ドングリかあ……アクが強いって言うのは知ってるよ。あとドングリクッキーは聞いたことあるね。少なくとも食べられるんだし……ちょっと調べてみよ。『ドングリ 種類』っと。


色々あるねぇ。クヌギにコナラは知ってるよ。おっ、マデバシイやスダジイってのはアク抜しなくても食べられるのか。あっこれ椎の実?これが椎の実かぁ。名前は聞いたことあったけど君ドングリの仲間だったのね。ゴインキョさんが持ってきた中にもあるね。


「どうじゃ……?」

「どれも食べられるものですね!このまま植えれば木になりますよ。」

「モーチの実と似たような感じか?」

「そうです!」


というわけで畑に植えに行きましょう。今日はこの3つを使った料理を考えるか〜。


…………

………

……


「これ、クリの木です。」

「ん……?ああ〜見覚えがあると思ったらこれか!」


どうやらイガイガを見て思い出したみたいですね。


『むっ?ポトフ、足下に気をつけるんじゃ。トラップがあるぞ。』

『ん?これクリじゃないですか。』

『これも食べられるのか!?』

『こうやって、足で踏んで……っと。ほら、コレの皮をむいて中身を食べるんですよ。』

『ふーむ……剥けんぞ……?』

『素手だと流石に難しいですからね。道具が手に入るまでは、残念ながらお預けですね。』

『そうか……』


あったねえそんなこと。


それじゃあクリ拾い……というか収穫。枝に付いたままなんだよね。イガは割れて中から実が覗いてるのがわかる。でも農園の作物は枯れることも実が落ちることもない、だっけ。


「ふむ。どうやって採る?」

「本来は地面に落ちたやつを拾うんですけど……」


熟せば自然と落ちてくると思うんだけどこれ以上成長しないっぽいし……あ、実が落ちるシステムは作れるのかな?自然の方はそんな感じみたいだし。でも全部が全部熟したら落ちてくるわけじゃないよね……個別に設定する?

 

まてよ、成長?そうだ〈植物成長〉スキル!


「ゴインキョさん!このクリの木に〈植物成長〉をかけたらどうなりますか?」

「ん?もうこれで成長しきっとるようじゃから何も起きんぞ。」

「じゃあ〈植物成長〉の効果を強化することって出来ますか?」

「ほう。どんな効果をつけたいんじゃ?」


時間経過で落ちないなら、落ちるきっかけをつくってやればいい。植物に干渉できるこのスキルは最適ではないか。

今は開発期間なのですぐに成長してしまう仕様になっているが、本来このスキルは継続してかけ続けるタイプのものだ。スキルレベルにもよるが、1秒かければ1分、30秒かければ30分、成長が加速して収穫できるまでの時間が縮まる……って感じ。


成長限界までスキルをかけ続ければ一度そこでストップ。その後もう一度かければ実が落ちてくる……いいんじゃない?モーチの実もこれで採れるよね?頭に落ちるのは危ないから……5秒くらいタイムラグがあってもいいね。


「なるほど。スキルで落とさせるのか。」

「そうです。」

「よし。物は試しじゃ、実装してみようかの。」


お願いします!


…………

………

……


「よし、木の幹に手を当ててスキルを発動してみてくれ。」

「分かりました!」


お話し合いが終わって実装されました〜。

それでは早速、〈植物成長〉!そして、さささっと離れた所に立っているゴインキョさんのもとへ退避ーっ!どうだ……?


ぼとっ

   ぼとっ


どささささーっ!


成功です!ゆさゆさ枝が揺れてクリの雨がふっている。


「おおーっ、全部落ちたようじゃのう。」

「壮観ですね!」


あとはチャチャッと回収しましょう!

足でふみふみしてイガ剥きをレクチャー。中身はそのままインベントリへシュート!

なんかスタックしてないヤツらがいるな……そっか品質事にわかれてるのか……あれ?でも5つ以上ある?なんで?


「それは生成パターンが5つ以上あるからじゃな。」

「生成パターン?」


例えば薬草。青々とした大きい葉っぱや、小さめでシナっとした葉っぱなど、見た目のバリエーションが沢山あるらしい。

これは実装されていなかった植物達も同様で、中身を含めた見た目だけは様々なパターンが存在しているそう。ただ、私の実装したい植物達は品質が設定されていないので……


「じゃあ私、もっと沢山食べなきゃですね。」

「ああ、ポトフが想像しとるほど沢山は食べる必要はないぞ。」

「えっ、そうなんですか?」


流石の私でも食べるのに飽きるんのではなかろうか……と思っていたがちょっと違うらしい。


「例えば、リンゴには1から100の生成パターンがあると仮定しよう。1と2には、さほど差は無いが、1と100では雲泥の差がある。」

「はい。」

「そしてこの10を食べて〈並〉に設定したあと、20を食べてこちらも〈並〉に設定する。そうすると、間の11から19も自動的に〈並〉に設定されるんじゃ。」

「なーるほど……同じ品質を設定するとオセロみたいに、間に挟まった他のにも設定されるんですね。」

「そういうことじゃ。」


沢山食べることに変わりは無いけどそれなら多少は私の負担も減りそうだ。良かった良かった。


さて、次はクルミとドングリを植えましょ。

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