0.1.1 ポトフちゃんたんぽぽになる
ふと気づいたんだが、この世界の人達、お肉食べられないような気がする。豚も鶏も完全に犬猫みたいな愛玩枠になっちゃってるんだ。
だから肉の味がする果実みたいなのを作ってみんなに食べてもらおうかなと考えている。植物のがまだマシだよね。
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できたぞーっ!
【たんぽぽの精霊】《綿毛》《不屈》
”フレーバーテキスト“
体力:12/12 魔力:6/6 スタミナ:18/18
攻撃力:6 防御力:3
筋力 :6 生命力:6
知力 :3 精神力:6
器用さ:6 素早さ:3
運 :5
固有スキル
《緑の手(特)》
《野草の心得(微)》
《火属性無効化(特)》
《地・緑属性(特)》
〔火属性耐性ダウン(特)〕
〔被火属性ダメージアップ(特)〕
〔火口〕
初期スキル
〈植物成長Lv2〉
〈料理Lv1〉
〈火矢Lv 1〉
まずこの種族たんぽぽの精霊。植物系の種族で、同カテゴリにはドライアドやアルラウネがいる。
特徴として、《綿毛》は自身が風属性の影響を受けている間、浮遊できる。ちょっとだけ素早さアップの効果もついてるよ。でも水属性の影響を受けていると使えない。雨とかね。
《不屈》は一日に一回だけ、戦闘不能になっても、体力と魔力を最大値の半分回復した状態で復活できる。たんぽぽは、踏まれてもへこたれないぞ。
続いて《緑の手》と〈植物成長〉スキル。植物の品質を良くしたり、生育を早めるものだ。これの為に植物系種族にしたと言っても過言ではない。いっぱいお野菜作るぞ。
次に、《野草の心得》は成長するタイプのスキルで、日光にあたっている間、体力と魔力がじわじわ回復し、スタミナの回復速度がアップする。
さらに、雨や川などの水(海水は不可)に触れる、または、水属性ダメージを受けた場合、装備やバフを含めない《精神力》の数値の分だけ体力を回復し無効化する、というものである。植物ならではって感じ。
一つのスキルに詰め込み過ぎたかな、と思い確認をとってもらったところ、見物スタッフ曰く、
『日差しの届かない場所だと置物になっちゃうし、いいバランスじゃないかな。まずかったら後々のバージョンで修整されるから、今はどんどん盛ってどんどん追加してね。ほかの植物種族にもつけちゃお〜。』
とあっさり許可がおりたらしい。採用されちゃったや。ありがたや〜。
地・緑属性は言わずもがな。料理は……たんぽぽコーヒーってあるでしょ?そういうことにしといて。
さて……残りのスキルと問題のデバフですが……
「なぁ、料理って火使うんじゃ……」
「だから《野草の心得》盛りに盛って、枠圧縮してまで火属性無効化とったんです。環境ダメージあるんでしょ?ウッカリ料理中に火に触って、燃え燃えキュン♡(消し炭)はいやですもん。」
「それはそうじゃが……いやそっちじゃなくてなんでデバフ枠3つも使って燃え燃えにしとるんじゃ。」
「だって他に植物の弱点ってあります?塩水とか熱湯弱点にしちゃうとご飯食べられなくなりそうで嫌なんです。」
そう、火属性デバフ3兄弟である。
まず固有スキル《火属性無効化(特)》これは、装備品、バフを含めない『精神力』の数値以下のダメージを無効化するもので、1番最初に計算される。オマケとして、やけどと火属性環境ダメージが無効化される。火山マップとか焚き火とかね。正直オマケ目当てで取りました。
そして、この無効化を取ったが故に、たんぽぽ族のポトフはハーフ認定を受け、デバフを3つ取らねばならなくなった。
1つ目は〔火属性耐性ダウン(特)〕デバフ系スキルの例に漏れず50%ダウン。
2つ目は〔被火属性ダメージアップ(特)〕こちらもデバフで受けるダメージが50%アップする。
そして3つ目のスキル〔火口〕である。そも、火口とは、火をおこす際に火打ち石などから出た火花で火種をつくるための、非常に燃えやすい素材のことである。そう。燃えやすいのである。
というわけで効果は〈火属性魔法の消費魔力、クールタイム、持続時間50%ダウン。被火属性ダメージ100%アップ〉
火矢はせっかく火属性バフがあるんだから一個ぐらいいかなと思って取りました。はい。
「もうこれにします。はいっ決定。」
「む……火には気をつけるんじゃぞ。」
はいはい。お次は初期装備を決めます。と言っても武器だけ。片手剣、両手剣、杖に弓……それぞれに対応したステータスに数値がプラスされる。片手剣だったら筋力+1 器用さ+1とかね。
ステ振りが近接職っぽい感じになっちゃったけど、肉弾戦って怖いんだよね……せっかくファンタジーの世界なんだし、魔法を使いたいので杖をにしよう。
そして最後にキャラメイク。たんぽぽの精か……ベースのモデルはどっかから引っ張ってこよう。
ひとまずドライアドモデルのアバターに入る。うん、ちゃんと動ける。
服装はもう決めてるんだよね。オーソドックスな真っ白いコックコートにエプロン。たんぽぽの葉っぱをイメージした縁のコックタイ。ズボンは深緑、ブーツは茶色。それからふわふわの綿毛の帽子!以上!そのうち来るデザイナーさんに頼んでオシャレな服を作って貰おうと思ってるからこんなもんで。
武器の見た目も変えられるの?じゃあ先っぽにたんぽぽの綿毛が付いた魔法のステッキで。耳かきみたいだな……
髪の毛は〜パツッとした花弁をイメージした部分を入れて〜。
問題は顔。顔ねぇ……
「お主の顔を、アバターに反映させることもできるぞ?」
「う〜ん……じゃあ、お願いします。」
前世じゃ、顔出しなんて危ない!いやだ!ネットリテラシーが〜云々かんぬんあったような記憶があって、ちょっと抵抗感があるんだけど、現代じゃ顔出ししてるほうが一般的だ。郷に入っては郷に従えと言うやつだね。
取り込まれた顔をちょちょいっと弄って〜他の気になるとこも弄って〜アバター完成!
「顔、あんまり変わってない気がするんじゃが?」
「担当さん……それを言っちゃあおしまいですよ。」
「そ、そうなのか?」
では改めて
「ポトフちゃん作成完了です!」
ユービキアス(仮)の世界に行くぞー!
「ここでサプラ〜イズ、じゃ!」
「へ?」
いざユビキア(仮)の世界へGO!ってところで出鼻をくじかれる。
「ボーナスとしてステータスに5ポイントまでわりふれるぞ!」
「おお、ほんとにサプライズだ」
どうしようかな...…私のステータス、《知力》と《素早さ》がちょっと低いんだよね……
「よし、決めた!《器用さ》に5ポイントふります!」
【《器用さ》6→11】
「なっ、えぇ!?お、思い切ったことするのう……」
「だって《器用さ》は製作物の品質に影響するって。ちょっとでも美味しいご飯食べたいじゃないですか。おまけにクリティカル率上がるし。」
「おまけ……そうじゃな、食事の為にここに来たんじゃったな……」