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0.9.3.0 ポトフちゃんとたんぽぽ

 おはようございます。休みを挟んで木曜日。今日も一日頑張りましょう。


「今日は何を作るんじゃ?」


 裏方のお仕事が一段落したゴインキョさんも一緒ですよ。


 今日作るのは『お茶』。

 ゴインキョさんに『こんな場所はあります?』と、チャノキと茶畑の画像を見せて調べてもらったところ、茶畑と思しき場所が山林の国にあるようです。よかったよかった。


 早速その茶畑に向かいたいところなんだけど、先にたんぽぽのお茶の作成を済ませてしまおうと思います。

 農園の周りや我が家の木の根元など、畑以外のそこいらにポコポコ生えてるからね。ちゃちゃっと収穫して作っちゃいますよ。


 あ、ここ以外にも支店の周りとかにもチョロっと生えてるけど、ウチの所有物って扱いなんで、残念ながらプレイヤーの皆さんは収穫不可です。あしからず。


 それじゃ、たんぽぽを収穫しましょう。

 近くにある花のそばにしゃがみ込み、周りを軽く掘り起こす。少しでも長く根っこを採れるようにね。


「きゅわ、きゅ、きゅ。」


 こんちゃんも、ちいちゃい手足で器用に土を掻いてお手伝いしてくれます。

 なんなら私より上手いし早い。野生のマンドラゴラはきっと、こうやって穴を掘って埋まってるんだろうね。


 ざかざかと掘り起こされる根っこを見ながら、そうだ、と思い出す。

 昨日たんぽぽの事を調べていて思ったことをゴインキョさんに聞いておこう。


「たんぽぽって薬にもなるらしいんですけど、ななさんのお店では扱わないんですかね?」

「ふむ、聞いてみるか。」


 たんぽぽは全草……花から根っこまで、全ての部位が食べられるし、薬になるんだとか。

 たんぽぽコーヒーの存在こそ知っていたけど、生薬にもなるとは知らなかったから驚きだ。


 裏方のスタッフさんから返ってきた答えは、実装予定のリストには載っている、とのこと。

 あれだ、私のジュースと同じで、小出しにする予定のやつだ。


 それなら、お茶だけ食堂で売っておいて、レシピは薬草として実装される時に追加しようかな。

 なんてったって、たんぽぽの名を冠している料理だ。一品くらいは最初からお店に並べておきたいからね。



 そんなこんなで、蕾、花、綿毛。若いものから成長しきったものまで収穫完了。

 お次はこのたんぽぽを部位ごとに切り分けます。


 まずはポンポンのような黄色い花。ガクのところからプチプチと摘む。

 そうだ、先にそのまま味付けしちゃおう。ふと、そう思い立ち、ガクを毟って丸ごと口へ放り込む。

 薄ら香る花の甘い香りに、沢山の花弁をジャクジャクと咀嚼する感触はなかなか楽しい……が、少々苦い。バラバラにして料理の上に散らせば気にならないかな?見た目もオシャレだし。


 ふわふわな綿毛は種として取っておきます。流石に食べられないんで、後で作物として畑に植えるよ。


 次はライオンの葉にも例えられる葉っぱ。こちらも生で味付け。

 小さめの若い葉は苦味も少なく、なかなかイケる。サラダに使ってもよさそう。

 逆に、成熟した葉はやや筋っぽく、苦味も強い。こっちは生食には向いてないかな。アク抜きした方がいいかも。


 次は白い液体の出てくる茎。これはお茶には使わないので、後で砂糖醤油とかで味付けて、佃煮かなんかにしようと思います。

 まあでも、一応味付けしとこ。……あっ、苦っ。


 最後に残った、ゴボウを細くしたような見た目の根っこ。コーヒーに使うのはここだね。


 花、葉、茎、根。4つの部位に分け、これにて解体完了です。

 手始めに、花と葉っぱからお茶にしていきましょう。


 作り方は簡単。ガクを取り除いた花と、一枚一枚分けた葉っぱを乾燥棚に広げてカラッカラに乾かすだけ。

 花はそのまま、葉っぱは細かく砕いて、それぞれコップに入れてお湯を注げば『たんぽぽ茶』の出来上がりです。いただきます!


 ん〜……どちらも野性的な青々とした香りと味……美味しい!と賞賛する程ではないけれど、素朴で口を休めるには丁度いい。


「ふむ……匂いの薄いハーブティー、といった感じじゃのう。」


 ゴインキョさんの評価もまずまずといったところ。


 花の方はフレッシュハーブティーのように生でもいいみたいなので、そちらも試してみる。

 味はそこまで変わらないが、ぷかぷか浮かぶたんぽぽが可愛らしくて癒される。


 続きまして、根っこのお茶。

 薄くスライスにして、乾燥棚でカラカラに。

 乾いたら、焦げすぎない程度にフライパンで炒り、ミキサーで粉末状にする。


 次に、コップに漏斗を挿し、フィルター代わりにサラシをセット。

 そこに根っこの粉を入れて、上からお湯をトポポ……と注ぎ、コップ一杯分抽出し終われば、『たんぽぽコーヒー』の完成です。


 ん〜燻るような香ばしい匂いは確かにコーヒーのよう。早速いただきます。


 1口啜ってみると、どことなく土臭いような、薬のような……そんな風味が口内に広がる。

 コーヒーと付くだけあって、苦味があるものの、それほど強いものではない。ほのかに甘みも感じられて……例えるならそう、濃い目に入れた麦茶!みたいな?

 ……麦茶もそのうち作りたいね。


 どうですか?ゴインキョさん。


「ううむ……。」


 ちょっと苦かったかな。口がモニョモニョしてます。





 さてさて。たんぽぽ茶の制作も終わったので、そろそろ山林の国の茶畑へ行きましょうか。


 あ、その前に、畑に寄ってたんぽぽを植えておこうか。ついでにいくつかの作物を補充していこう。


 ブタモモ〜ケーラン〜、ミカン、リンゴ、モモ……あとはぽぽ達のおやつにビワ。

 ビワの木に近づくと、ふよんふよんはしゃぎだす綿毛達。後で食べようね〜。


 そういえば、ビワの葉のお茶ってあったよね?

 ちょこっと調べてみると、ビワもまた、たんぽぽと同じように生薬として使われていたらしい……よし、せっかくだしこれも作っちゃおう。

 材料になる葉っぱは古いほうがいいらしいので、深い緑色のものをいくつかピックアップ。

 調理場に戻ってお茶にします。


 まずは下処理。葉の裏側についた産毛っぽいのを、サラシを使ってゴシゴシと強めに擦って取る。これがあると喉がイガイガしちゃうからね……味付け用に何枚か残しておこう。


 後は乾燥棚に並べ、カラカラに乾かし、細かく刻めば完成。

 水と一緒に鍋に入れて煮出せば、『ビワの葉茶』の出来上がりです。

 ん〜。これまた癖がなく、飲みやすいタイプのお茶ですね。

 産毛を取らなかった方は……モモに頬擦りした時のような、チクチクとした感触が喉に引っかかる。なるほど、こんな感じか。


「ぽぽ達も飲む?」


 飲み比べていると、余程ビワの葉茶が気になるのか、さっきから綿毛達がポフポフと頭の上で跳ねたり、すりすりと顔に体当たりしたり……激しいおねだりをかましてくる。

 ああ〜ん、ふわふわ〜ん……


 しょうがないので、平皿に薄ーく注いで与えてみましょう。

 ヨシ!と合図を出すと、3匹揃ってふよふよとお皿の上へ降り立つ。


 すると、一瞬で吸収されるお茶!なんだっけ、毛細管現象ってやつ?

 体毛に水分が吸われて、毛玉たちの足(?)元が薄茶色に染まってしまった。


 しかし、当の本人達は気にした様子もなく、モップのようにずり這ってビワ茶を啜っている模様。

 最後には茶殻まで食べちゃって、真っ白綺麗なお皿になりました。きれいに飲めたね。


 ん?どうしたんだろう?何も無くなった皿の中央で、綿毛達がおしくらまんじゅうするようにもぞもぞと体を寄せ合い始めた。

 なんだ?と眺めていると……しっとりしおしおに萎れていた毛先が、段々と元のエアリーさを取り戻していく。そうか、毛繕いしてるんだ!

 これでいつものふわふわボディ!綿毛復活!

 満足気な3匹を指先で撫でてやると、すりすりと擦り寄ってきた。

 オウ、シットリ……So cute……


 さて、たんぽぽのお茶も作ったし、ビワの葉のお茶も作った。もう農園でやることは無さそう。

 そろそろ山林の国へ向かいましょうか!


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― 新着の感想 ―
と、共食い…
 たんぽぽもあんま見なくなったなぁ、薬効があっても結局はコーヒーの代用品扱いなのもあって淘汰されたんだろう。
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