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0.8.3.0 ポトフちゃんとマンガ肉

 おはようございます。今日は木曜、先行プレイは明日の午後6時まで。残された時間も存分に楽しみましょう!


「キュワー?」

「おはよう。みんな。」

「キュワキョワ!」


 昨日は無事、テイマーの昇進試験に合格して、連れ歩き枠が増えました。

 こんちゃんはぽぽ達ともあっという間に仲良くなり、今は膝の上で戯れています。


 頭の葉っぱの間を、クマノミの様にすり抜けてはしゃぐ綿毛たち……キューキューポヨポヨ共鳴するこんちゃんとぷるんちゃん……

 うーん、可愛いっ!




 さーて、本日の予定は〜?


『ポトフ、未鑑定の食材がいくつか農園に持ち込まれておるぞ。』


 食材への味付けです。昨日辺りからちょっとずつ増えてるらしいですよ。


 現状、未鑑定品の入手方法は、収穫クエストをクリアしてランダムな品質の作物を手に入れるか、そこいらに生えているのを摘み取るか、の2つ。

 つまり、自分から動かなければ手に入らないってこと。いやあ、食材に興味を持っていただけてるみたいで嬉しいね。




 ということで、いつも通り湖の国、商人ギルドへ。

 一般プレイヤーが立ち入れない、スタッフ専用の調理場へ入らせてもらい、お仕事開始です。


 このキャベツは……うーん、ちょっと筋っぽくて硬い。粗かな。

 わっ、緑のジャガイモ!毒です!ここまで来ると食用には向かないので、種と同じカテゴリに移動させます。

 ん!このイチゴ甘ーい!良……いや優をあげちゃおう。


 調理台にずらっと並べられた、未鑑定品と比較用の作物を片っ端から舌の上で転がす。


 こんな風に調整していると、〈優〉が〈良〉になったり、〈粗〉が〈並〉になったり、既に実装されている作物達にも影響が出て、プレイヤー達の所持品内の作物の品質もズレが生じる訳でして。

 後者はラッキーって感じだけど、前者は普通に損してるので、補填のアイテムを配布します。


 その名も、『食材引き換え券』。たんぽぽ農園へ持っていくと、調整前の品質のアイテムと交換することができます。

 必要なければ売っても良し。あ、プレイヤー間での売買は不可ですよ。お店に売ってね。


 そんなこんなで、今ある分の味付けを終えました。

 今日は1つの調理台に収まる程度の量しかなかったけど、リリース後は人も増えるし、何倍の量も食べることになるんだろうなあ。楽しみだ。

 あ、そうだ、これは日課にしよう。午前中はその日の予定を考えつつ味付けをして、午後から街へ出たり料理をしたり自由行動。そんな感じで。これからは計画的にいかないとね。




 次は料理でもしようかな、とアイデア募集スレを覗いていると、ふと閃いた。ゴインキョさーん。


「今日と明日、なにかイベントとかってありますか?」

『イベント?……特に無いのう。終了する1時間前辺りからアナウンスがあるくらいじゃな。なにかやりたいことでもあるのか?』

「はい!」


 スレで大人気のマンガ肉。

 それをゲーム内に実装して、皆にレシピを配り、食べてもらう『マンガ肉実装イベント』をやりたい。

 参加報酬はマンガ肉のレシピと、素材であるウシカボチャ〈優〉の引き換え券。丸々渡してもいいんだけど、いかんせん重いので……ね。


 戦闘とかミニゲームとか、遊び要素は一切無い、ただただ肉を焼いて食べるだけのイベントなんだけど……打ち上げ会みたいな感じで楽しめればいいなって。


『ふぉっふぉっ、それは面白そうじゃな、少し話し合うから待っとってくれ。』


 すごーく突発的なお願いだったんだけど、長い話し合いの末、イベントを開催できることに!やったね!


 草原の国に広いスペースを確保して下さったみたいなので、早速そちらへワープすることに。今いる調理場のドアが、直通でイベント会場へ繋がっているそうです。


 そっと開いて覗いてみると……そこにはだだっ広い草原が広がっていた。




 ピンクじゃないけど、どこにでも行けそうな感じのドアをくぐり抜け、イベント会場の予定地にやって来ました。

 ここはドーム型の結界で囲まれており、外からは中が見えず、出入りも出来ないようになっているそうだ。思う存分会場を作りましょう。


 とはいえ、私一人じゃ大変だ。ということで、設営の為に、ちょこさんと建築班の方々、道具の作成の為にうさちゃんがお手伝いに来てくれました。


 建築班のお2人は、どちらもクマ。全身モフモフなイノウエさん(本名ではない)と耳としっぽだけモフモフなあいかわさん(本名ではない)

 ケモの度合いはそれぞれ違うけど、山賊……いや、ワイルドでカッコイイ。

 デザイナーさんのはずなんだけど、なんだか凄く肉体派だ。


「お嬢!どうしやすかい?」

「カシラァ!まだお嬢の要望聞いてやせんぜ!」

「おっと悪い悪い、久しぶりだなポトフ。」

「お久しぶりです、ちょこさん。」


 皆ノリノリだ……そんな御三方に私の要望を伝えておきます。


 正面にはステージがあって、そこでマンガ肉作成の実演をするでしょ……

 会場には、肉焼き機を並べて皆が焼けるようにして……

 外周には飲み物の屋台とか置いておこうかな……


 そんな感じで会場の設営をして貰っている間に、私はうさちゃんとマンガ肉の作成。


 まずは肉の加工から。

 ピクニックシートサイズの大きなラッ葉を地面に敷いて、その上にウシカボチャをドーン!と出してもらう。こちらをマンガ肉の形へと切り分けます。


 皮を剥ぎ、外側の肉を剥ぎ、高級肉ゾーンと大きな骨だけに。

 このまま焼いてもいいんだけど、皆の想像するマンガ肉に近づけるために少し形を整えましょう。

 横から見ると、ラグビーボールのような形をしているお肉部分の両端をちょっと切り落として円筒型に。

 どう?こっちのほうがマンガ肉っぽい形でしょ。


 味付けは正直何時でもいい。今回はパッパと塩を先に振っちゃうけど、タレをつけてもいいし、なんなら食べる時に味付けをするのでもいい。


「で、どんな道具がほしいんだ?」

「えーっと……」


 お次は肉焼き機の作成。

 私が考えてるのは、先端がY字の2本の支柱を立てて、そこに骨付き肉を掛けて焼く、って形。

 ひとまずそんな感じで設置して貰って、火をつけずに実験してみたけど……


 お肉が勝手に回るので狙った所を焼けない!

 骨を掴んで回すのって、地味に大変!

 単純だけど、難しい。やっぱりマンガはマンガ、現実ではそんな簡単には焼けないのだ。


 ということで、色々と改良を施していく。

 重力で勝手に回らないように固定して、骨にはハンドルをつけられるようにして……調整して調整してさあ、本番!火をつけて焼きますよ。


 ハンドルをぐるぐる回し低温でじーっくり焼くわけなんだけど……これは相当時間がかかるぞ……

 てことで、もうひと工夫。

 冷温庫や乾燥棚のように、早送りする仕掛けを仕込んでもらいます

 くるくる回すこと、それがトリガー。回せば回すほど火が通っていくよ。


 ぐるぐる、ぐるぐる回し、とうとう『マンガ肉』が完成しました!いただきます!


 おおっほ、柔らかあ……中はピンクでミディアムな焼き加減。中々いい感じではないでしょうか。


 さあどうぞ、と1口かじったマンガ肉をうさちゃんに渡すと、静止して真剣な表情で、ジッ……と私の歯型を見つめている。

 ……回し食い、気になります?

 衛生面を気にする必要は無いし、そもそも同じフォークでご飯食べたりしてませんでした?

 あーんした覚えがあるんだけど……?


「可愛い歯型がついてるな……」


 私の歯型に思いを馳せていただけでした。

 歯型って可愛いか?……いや、可愛いか。魔晶石とかビワについたぽぽ達のちっちゃい歯型は、たしかに可愛かった。




 肉焼き機以外にも、網や鉄板を設置したバーベキューコンロを用意。周りのお肉もちゃーんと焼肉にしていただきますよ。

 おまけに普通のお野菜も用意してますよ。


 会場の設営が終わったら、NPCの配置。

 今回のイベントは作物、料理が中心ということで、たんぽぽ農園に縁のあるたんぽぽ族の子が多め。

 そして最後に……


「イベントのシナリオですか……」

『うむ。簡単に、あらすじのようなもので構わん。こっちでライターが肉付けするからのう。思いつかんならそれでも大丈夫じゃ。何か要望はあるか?』

「うーん……」


 “ウシカボチャが季節外れの大豊作!原因はジャガイモ畑から逃げ出したマンドラゴラ!?”


「みたいな?」

『ふぉっふぉっ、いいのう。伝えておくぞ。』


 あとはもう、お任せです。私にできることはこれで終わり。

 残った時間は、最終チェック。NPCの動きや、設備の点検を終業時間まで念入りにやりますよ。


 さて、明日はどうなる事やら。

 今日も一日お疲れ様でした!

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