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0.8.1.1 ポトフちゃんと撮影会

 木の街から南へ、魔物を狩り狩りしながら野営地を目指して進んでいると、森の中から天に向かって、オレンジ色の光線が伸びているのが見えた。


「ゴインキョさん、あれってもしかして。」

『おお、救難信号じゃな。』


 つまり、あの光の下に戦闘不能になっちゃった人がいるってこと。急いで助けに向かいましょう。


 ………

 ……

 …


 カッポカッボ馬を走らせ、辿り着いた光の下には……打ち捨てられた様な服と、スライムのような水溜まりが広がっていた。ひええ、溶けちゃったの?て、手遅れでは……?とか思ってたら。


「あっ、人来てくれた!?」


 水溜まりが喋った!!この方はスライム族らしく、運悪く中型の魔物とかち合って死んでしまったみたい。だからってこうなる……?


 何はともあれ、助けましょう。

 スライムさんのすぐ側に落ちている、オレンジの救難信号を打ち出している写し身の石に触れて、魔力を流す。

 すると、信号の色が青白いものに変化する。これは周囲の安全が確保できたよ〜という合図。これをやる事によって、救急車、ならぬ救急馬車が来てくれるそう。


 スライム氏と話していると、1分もしないうちにガタゴト音を立てて救急馬車が到着しました。


『怪我人はどちらですか?』

「こっちでーす。」


 御者台から降りてこちらへ向かってくるのは、狩人のような格好をしたNPCのお兄さん。

 私たちのそばまで来ると、スライム氏に向かって手をかざし、浮遊魔法をかけた。


『失礼しますよ。』

「おっ、おお!?」


 まるで、無重力空間に漂う水のように空中に浮かぶスライム氏。そのまま馬車の荷台へと運ばれていく。


『救援へのご協力ありがとうございました。それではこれで失礼します。』

「あっ、ありがとー!」

「どういたしまして〜。」


 これにて救援完了!改めて、野営地を目指して移動しますよ。


 ………

 ……

 …


 さてさて、道中予想外の出来事はありましたが、野営地に着きました。


 いるいる〜!人いる!

 昨日は入れ替り立ち替り、多くても10人くらいだったけど、今日はその倍はいる……!

 グループでも個人でも、地べたに座り、焚き火でウオクサを焼き、串焼きを食べている!想像以上の盛況ぶりだ。


 どこで休もうかな、と見渡していると、見知った顔を発見。私の話を聞いてウオクサを取りに行った2人が串焼きを食べていた。

 向こうも私を覚えていたようで、パチッと目が合うとおいでおいでと手招きで呼ばれるので近づいてみる。


「おはようございます。」

「おはよ!ここ座りなよ!」

「よう。」

「わ、ありがとうございます。」


 ご厚意に甘え、ご一緒させてもらいましょう。

 お姉さんの隣へ座り、膝の上にランチマット代わりのサラシを敷いて食事の準備をする。


「今日は串焼き食べないの?」

「今日はお店で色々と買ってきました。」


 ケーランサンドに〜丸パンに〜と、インベントリからご飯を取り出していると……周囲から視線を感じる、気がする。


「なんか、私達見られてませんか……?」

「あはは、ほら、昨日の配信だよ。」

「特にあんたはずっと映ってたからな。」


 ああ〜そういうこと。そうだよね、あれ見たからみんなここに来てるんだもんね。

 耳をすませると、(配信に出てた……)とか(串焼きの……)とかうっすら漏れ聞こえてくる。

 まあ、注目されてるなら丁度いい。


「ぷるんちゃんも食べるかな〜?」


 イミテーションスライムのフォルムチェンジ、今からやっちゃいましょう。


 首元で震えるぷるんちゃんをそっと手のひらの上へ。お食べ〜と膝の上に置いた丸パンへ乗せてやると、いいの?と確認するようにこちらを見上げ、おずおずと体を広げ始めた。


「へえ、スライムも食事できるんだね。」

「薬草食ってたしな。」

「あ、そうだったね。」


 丸パンを包み込み捕食するぷるんちゃんの様子を、3人で……いや、みんなで観察だ。

 じわじわ消化し、元の大きさにまで縮んだ所でフルリと身震いを1つ。ぴょこぴょこ跳ねてお腹の方へ寄ってきた。


「あれ?もしかして食べ終わった?」


 無事擬態成功だね。よーし、ここからはちょっと大袈裟に……


「わっ、すごい!ステータス変わってる!丸パンになった!」


 フォルムチェンジしたぷるんちゃんを掲げ、褒めたたえます。とくと見よ!可愛いうちの子を!


「えっ、ホント?」

「おお、擬態するってそういうことか?」


 2人の驚きを皮切りに、周りのギャラリーもわいのわいのと騒めく。


「うわ、色変わってる。」

「それどうやったんですか?」

「ステータスどんな感じ?」

「スレに載せていい?」


 丸パンって食べ物で……スレに?どうぞどうぞ……と質問に答えていると、こんな要望がとんできた。


「ねえ、うちの子と並べて撮りたいんだけどいいかな?」


 ふむ……ぷるんちゃんイケる?と見つめると、震えながらも自らよその子の元へ跳ね寄る。頑張れ……!


 すると、ぷるんちゃんを中心に他のプレイヤー達のスライムも集まり、ポヨポヨふるふると共振し始めた。か、か、可愛い〜!スクショスクショ!

 ポヨヨポヨヨと皆の音頭をとるぷるんちゃん。すごいぞ〜輝いてるぞ〜!あとやっぱ小さいなうちのコ。


 撮影会が終わり、ぷるんちゃんへ戻っておいでと声をかけると、私の元へピャーッ!と猛ダッシュ。大きくジャンプし、フードの中へホールインワン。

 照れているのか閉じこもってしまった。よく頑張ったね!後でまたいっぱい褒めてあげよう。

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