0.8.0.x.2 とある配信者の1日 2
「失礼します。はー、終わった。」
>乙
>お疲れ
>なんかVIP対応だったな
「ね!丁寧だったわ〜……ん?」
>お?
>人いる!
>あれプレイヤーじゃない?スライム連れてるし
「ぽいね、プレイヤーっぽい。もう自由に動いていい感じかも。」
>もうクエストないの?
「ないね。ジャーナルも空だわ。えー、どうしよ。とりあえずなんかクエスト受けるか。」
>色々あるな
>もっと近づいて見て
「もっと近く?こんぐらいで読める?」
>読める!
>湖が今いる所で、山林がスポーンしたところでしょ。他の国見に行ってみない?
「他の国いいね。えーっと、草原と火山?」
>右の方に樹海ってある
>樹海の国もあるよ
「ああこれね、樹海の国。この3つかな?んー……樹海は森の中でしょ?山林と似てるし後回しにするか。皆どっち先に見たい?」
>火山
>草原
>火山見たい
>火山気になる
「火山が多いかな。じゃあ先に草原行きます。」
>は?
>なんでや
>聞いた意味ないやんけ
「楽しみは先にとっておこうねー。」
>チッ
>ちぇっ
>チュッ
………
……
…
「すごかった……マジで全部に匂いあるんだな……」
>気になるなあ
>好きな匂いあった?
「好きな匂い?えー、なんだろ……草原の匂いとか好きかも。」
>あれ?なんか集まってね?
>あの人たち何やってるの?
「ん?マジだなんかやってるね。」
>パーティにしては多いね
>聞いてみて
>凸しろ凸
「えー、行っちゃうか。許可とるからちょっと待ってて。」
>はーい。
>許可とるの偉い
>当たり前のことなんだよなあ
「許可おりましたー。」
>やったね
>聞いて聞いてー
「これ何やってるんすか?」
「今は焚き火で食材を焼いて食べてるところです。」
>焚き火かあ
>あ!アニメで見たことある!
>へーこういうのも出来るんだ
「へえ〜。お、『アニメで見た!』ってコメントが来てますね。」
「アハッ!アタシと同じこと言ってる!」
>食べてる?
>ワンチャン味もある系か?
「いやいやそこまでは……ないっしょ。」
「お兄さんも1本どうぞ〜。」
「あっ、ハイ。」
「中に骨があるんで気をつけてくださいね。」
「え、アザッス……つーか食べれるのか……」
>皆食ってるじゃんいけるいける
>胸筋のいいトコ見てみたい!
>どうせゲームなんだしやらなきゃ損だぞ
「えー、じゃあ食います……ん!?あ、味がある?え、なんだこれ!?」
「ね、ビックリだよね。」
>まじ?
>うそーん
「うわうわ、え?じゃあ、宿屋で貰ったやつも味ついてんの……?」
「ついてますね。優しい甘さでほろっと崩れて、美味しいですよ。」
「甘さ?」
「はい。甘いんです。」
>甘さ?
>甘さってなんだ
>優しいってこと?
「例えば……これ。砂糖って言うんですけど、甘くて美味しいんです。こうやって……ん!皆さんも舐めてみてください。」
「これも塩みたいに粉っぽい感じなのね。」
「私も私も〜。」
「ん、指が入んねえ。」
「あ、手のひらに出しますね。はい、お兄さんもどうぞ。」
「アザッス。これが砂糖だって。食べまーす。」
>ちょっと黄色っぽいね
>どう?
「甘さ、これが甘さ……」
「わ、溶ける!」
「ねえ、これもピグ、マリ……?で売ってるの?」
「はい。ピグマリアンで売ってました。」
>溶けるのか
>ピグマリアン?
>ピグマリアンね覚えとこ
>リリースされたら絶対行かなきゃ
「あれ、またなんか食ってるの?」
「あ、おかえりー。」
「また人入れ替わってんね。バスクサとってきたよ。作り方教えて〜。」
>人増えたあ
>作り方?何?
「バスクサってこの焼いたヤツだよね?作り方って?」
「なんかね、これ作ったらバスクサの串焼きってのがアンロックされたんだよね。」
「私らもそれ気になったからさ、作ろうと思って材料とってきたんだよ。」
「ほら、あんたにも1個やるよ。やってみようぜ。」
「え、良いんすか。アザッス!」
>兄貴ィ!
>ありがとうございやす兄貴!
>お、初めてのクラフトか?
「で、どうやるって?」
「まず枝ですね、そう、その細めで尖ったやつがやりやすいと思います。」
「これか。」
「そしてバスクサは、最初にウロコっぽいやつを剥がします。こうして、細い方から太い方に向かって、撫でるように擦ると取れます。皆さん刃物は持ってますか?」
「あるよ。」
「デカイのしかないな。」
「あ、じゃあこの予備の包丁使ってください。」
「お、サンキュ。」
>音が気持ちいいね
>うわ、楽しそ
「はい。で、バスクサのこの、太いほうから刺していきます。こうして……くねらせながら……こんな感じです。」
>おおー
>真っ直ぐ刺しちゃダメなん?
「お、『真っ直ぐ刺しちゃダメなの?』だって。」
「真っ直ぐでも大丈夫ですよ。でも、こうした方がすっぽ抜けたり、火で炙ってる時に回転しにくいと思います。」
「へー、試してみよ。私の真っ直ぐにしてみるね。」
「後はパッパッと塩を振って、焚き火の近くの地面に刺して焼くだけです。」
「ん、しょっと。」
「どのくらい焼くんだ?」
「片面につき、2、30分ってとこですかね。」
「長っ。」
>つまり1時間!?
>なげ〜
「まあ、最初の1回だけですから。」
「え、どゆこと?」
「これね、自動作成機能あんの。2個目からは一瞬でできるんだよ。」
「まじ!?超便利じゃん。」
「それでも時間かかるんで、近くでモンスター狩ったりしてきてもらっても大丈夫ですよ。私見ておくんで。」
「アタシも見とくよ〜。」
「あ、俺も休憩がてら見とくよ。」
>今日だいぶ動いたもんな
>焚き火配信か
「え〜助かる。レベル上げ行ってくるね。」
「俺も周りみてくる。」
「はい。あ、ひっくり返す時に1回戻ってきてくださいね〜!」
────────
「や〜おつかれおつかれ……楽しいんだけどマァージで疲れた……」
>おつおつ
>お疲れ〜
>五感フルで使うもんね
>明日もやる?
「やるやる。明日もやるよ。でも今日より休憩多めにするわ。」
>胸筋氏〜ちょっとこの記事見て〜
「ん?何ネットニュースの記事?……バーチャル空間で感覚の共有、再現に成功……離れていても同じ体験……あー……なんか思い出してきたわあったなこんな記事。」
>あったあった
>あ、これエルドラドんとこじゃん
>つまりユービキアスはこの技術使ってるってこと?
>じゃあ何、砂糖の味とか森の中の匂いを知ってる人がいて、その人からプレイヤーに共有されてるってこと?
>その人はどうやって知ったんだよ
「いや〜流石に本物の匂いでははないでしょ。こんな匂いかな?って想像しながら匂いつけてる人がいるんじゃない?」
>想像力ヤバ
>まあ、そんな感じだろうね
>どっから見つけてきたんだそんな奴
>さすが天下のエルドラド……




