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17.

「いやいやいやいや! だが、それなら何故アノマの教科書や服が破かれなければならないんだ! リリィ以外に誰がやったと言うんだ!」


「それでしたら犯人はもう罰しておりますぞ」


「え、何だって!?」



クラスの担当教師だけでなく学園長まで出てきた。学園長エグゼ・エナジー、俺の執事的ポジションに居座るオルド・エナジーの息子のはず……何を言うんだ? アノマを害した犯人を罰した?



「犯人は少し前に殿下と仲良くしていた男爵令息や子爵令息の者共でしたよ」


「な、何だと!? あいつらがそんな!?」



そんな……どうして……。あいつらがアノマを害していた真犯人!? 馬鹿な、ありえない! 最近は疎遠になっていたが俺の大切なアノマの教科書や服を破るようなことをするなんて!



「主犯格と思われるダーミ・バットー子爵令息がアノマ・メアナイト男爵令嬢の机の中に大量のホッパーやスパイダーを入れようとしていたところをアムズ・ビストゾン侯爵令息が見つけて止めたのです。そこでアノマ嬢をいじめていたことが分かったのですぞ」



ホッパーやスパイダー……虫と毒蜘蛛じゃないか!? キモっ!



「馬鹿な、どうしてそんなことを!?」


「カスナ・ザーウェ男爵令息によると『殿下がアノマ嬢に傾向してから贔屓してくれなくなった』とのことで……お心あたりがお有りのようですね」


「…………」



俺は血の気が引く思いだった。つまり、アノマがいじめを受けていたのは、俺がアノマと仲良くしすぎて他の者達と距離を置いたせい……アノマが妬まれる理由になって……なんて、ことだ……。



「そんな、マグーマ様と仲良くしてた人たちが……」



アノマも言葉を失って青褪めていることがよく分かる。彼女がいじめを受けていたのは俺のせいであり、俺に近づいたアノマの……彼女自身もそれを理解してしまったんだ。俺達二人の落ち度だったんだということに。



「殿下、彼らが捕まったのは昨日のことだ。昨日、元気そうなくせに体調不良ということで学園を休んだから知るのが一日遅れたな。本当に何で休んだんだ? 今日のパーティーで婚約破棄を叫ぶくらいに元気なのに?」



将軍の息子のアムズ・ビストゾン侯爵令息が捕まえたのか。我が国の将軍はミスター・バイオレンスと呼ばれるほど恐れられている。その息子が……って、そんなやつまでリリィの味方を!? え? やばくないか!? 堂々と俺を睨んでいるし、実は婚約破棄の準備のために休んでいたなんて言えない!


「殿下、リリィ様とその父君はにはうちの父の会社のお得意様、つまりは世話になってるんですよ。そんな人のためならば私も容赦しませんよ」



あいつは我が国の大企業の会社ディガルの社長令嬢、アイズ・イエスタデー。あれぇ!? 公爵家がお得意様!? つまり、あいつもリリィの味方かよ!


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