【神side】
【神side】
エラーの子が来た。何年、いや何百年ぶりだろうか?
冥府で弾き飛ばされることはよくある。
大抵は生きて戻るか
またはここだけの話、魂だけ帰るか。
もしくは安らぎを得るか、罪に応じた罰を受けるかしかなかった。
故に、この場所に来ることは極めて珍しい。
物珍しそうに女がこちらを見る。
そして、ふいに手を耳に当てている。
ああ、君は耳が欠陥しているのか。
気にせずに、挨拶を元気よくすると失礼な言葉が聞こえて思わずむせた。おいコラ。仮にも神だぞ、こちらは……。
なんか良からぬ視線を感じるなぁ。
「エラーの子って何?
私の名前はは坂ノ下美香と言うんだけど……。それにスライムは一体なんなの?」
と言われてふいにしょぼくれた。
神に向かってスライムとは……。この神々しさがこの子には伝わらぬか。
まぁ、スライムと呼ばれても仕方ないボディなのは仕方ないか、と切り替えて質問に対して応えていく。
エラーとは死の狭間にいた人間が自我や疑問を持つことだと。まぁ一部例外はある。
色々と説明するのは久しぶりだなとふと思いつつも、説明をちゃんと聞いてくれているようだ。
あ、これはしっかり伝えなければ!!
「ちなみにスライムと言われてちょっと傷ついたけど、わたくしはエラーの子の世界でいう神様ですからね!」
と意気込んて言ったらなんと……
「神様……。ふつうここは厳格そうなおじじか、綺麗なメスか、イケメンでしょ?!」
と言われたので思わず沈黙してしまった。
が、今までを思うと、それも仕方ないのかもしれないな。
ふと説明していたら、すごく視線を感じる。
あまりにも見られすぎて、どこかむず痒い。
思わず、ごほんごほんと咳払いし、しゅっと体を整えた。
そしてエラーの子には今後の話をしなければいけないな……。
この子にとって幸となるか否かはわからぬが。