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006.大食いメカ少女と初めての友人

 私が機動兵器を破壊して、片付けが行われた。流石に授業は中止となってしまったようだな。

 そして約1時間後。自習になった時間を勉強に使い、そしていつのまにやら昼の時間となった。


「この時間帯、生徒は昼食を取りに行くか。」

「レオナもどう?ここの料理結構おいしいんだよ?」

「そうか。なら行ってみるか。」


 エリカに誘われ、一緒に行くことにした。

 マキナドールには、食料をエネルギー燃料に変える機能が付いている。なので、食事と言うものは普通に出来る。元の世界ではキューブ状の合成食品と、飲み物で石油やマシンオイルを摂取していた。

 ただ、戦うほどエネルギーを浪費するため、私はかなりの量を食べていた記憶がある。学院長が支給してくれた食料もとい料理は美味しいものだったが、もうちょっと欲しかった。


 そう考えている内に、食堂に到着。メニューを見てみれば、栄養も良さそうだし、エリカの言う通り美味しそうだ。この学院には食に関する研究をしている学科もあるようで、大体がその生徒達特製のものらしい。


「ねえ、レオナは何にする?」

「そうだな……」


 この世界に存在する生物や植物を使った料理……名前だけでも美味しそうだが、いわゆる大盛りとかは無いだろうか。

 と思っていたら、それっぽい名前がメニュー表にあった。


「あの『肉丼超大盛り』とやらにしてみるか。」


 そう言った瞬間、何故か周りにいた人たちのほとんどが、驚くようにこちらを見ていた。


「ん?何かマズい事でも言ったか?」

「さぁ?その料理がよっぽどすごいんじゃない?」


 なぜあんな反応をしていたのかは分からないが、まあいいだろう。

 実際頼んでみたところ、大量の食用肉、そしてご飯を器いっぱいに乗せたものだった。(ついでにサラダも頼んだが、大きさは一目瞭然である)


「わあ、道理でみんな驚くわけだ。」

「言うほどか?……まあいい、いただきます。」


 何故みんな驚くのか全く分からないが、これくらいが良いんだ。数日ぶりに満足できるくらいには食べられそうだ。

 そうして食べ始めて数分後。


「ごちそうさま。」

「おー、すごい。」


 完食。満足した。やはりこれくらいがちょうどいいようだ。


「お、おい、見ろよアレ……」

「嘘だろ、先輩方が悪ふざけで作ったという狂気のメニューをたった数分で……!?」

「と言うかあの子、確かさっき暴走マキナを1人で倒したって言う……」

「な、なんてことだ……料理科の最高傑作がぁっ……」


 何やらまた目立っている気がするが……言うほどなのだろうか。どうもそう思ってしまう。


「へえ、お前、中々面白いじゃないか。」


 とその時、隣の席に2人座って来た。実技の時にも姿を見た気がするな。


「あ、2人とも。」

「む、知り合いか?」

「というより友人兼ルームメイト。」


 剣を持った少女と、無気力そうな少女の2人。以前少し話に聞いた、エリカの友人か。

 そして、剣を持った少女が名乗り始めた。


「私は『ホノカ・ホムラ』。見ての通りと言うか、剣術が好きだ。で、こっちが『マナ・チェイサー』。」

「よろしく。」

「で、君が『レオナ・レコード』か。エリカと学院長から話は聞いているぞ。」


 『ホノカ・ホムラ』と『マナ・チェイサー』。どうやら私の素性の方は把握済みのようだった。


「そう言えばちょっと遅かったね。」

「実技が中断になったからな。剣の練習をしていたら時間が経ってしまった。」

「武器の手入れしながらホノカに付き添ってた。」


 そう言えば、機械科と言っても自分の戦闘スタイルや武器の使用はそれぞれで個別で行われると聞いていた。

 剣術だけでなく、格闘や斧、何と銃まで、武器も多彩。

 本来ならこの日の実技で、武器や戦闘スタイルに関する個別授業が行われるはずだった模様。


「しかしその感じだと、2人はかなり信頼されているようだな。」

「正直、エリカの話も意外と興味深いからな。エリカや学院長から、お前の事を色々話された時は少々驚いたけど。」

「別世界、しかも終末世界からの転移は流石にファンタジー。」

「傍から見るとそんな感じなのか私って……」


 意外とすんなり受け入れてくれているので、ちょっとだけ助かる。


「まあそんなわけだ。よろしく頼むよ。」


 ホノカ・ホムラとマナ・チェイサーが、握手を求めて来た。

 そして私は、それをすんなりと受け入れた。


「こちらもよろしく頼む。ホノカ・ホムラ、マナ・チェイサー。」

「これで友達。名前だけでオーケー。」

「じゃあホノカとマナだな。……友達、か。何気に初めてかもな……」

「え、私は?」


 そこで、エリカが異議を唱えて来た。それに対して私は――


「……セクハラ女」

「レオナさん!!?」

「冗談だ。」

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