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無限ループ攻略中。皆殺しも視野に入れてます。

 

 オレと素零(ソレイ)は闇に包まれ亜空間の中を移動している。

 体にまとわりついてくる闇はとても心地が良い。

 闇の中、オレは静かに考えていた。

 素零は息をするような気軽さで生命を消す。

 黙っていても間違いなくパラドクスを消してしまうだろう。


「それで、どうだった」


「うん。話の途中でムカついたからブチ殺してやったよ」


 素零は無邪気な笑顔を見せる。

 氷蜜茶房についた素零はパラドクスと話してみたいと言い出し、オレは零の螺旋を放った。

 結果として素零はパラドクスと対面し、殺害。

 ループの起点となる亜空間へと二人して戻ってきていた。

 

「オレはパラドクスを殺していない。

 どうやらパラドクスの生死はループに関係ないらしい。

 そして戻る場所は絶対にこの空間で固定。

 11番(カナタ)とレオナルドの死を防ぐことはできないみたいだな」


「だとしたら時間経過か、何か他にトリガーがあるんだよねぇ。

 キミはどこまで記憶が残ってる?」


「オレが零の螺旋を放ってから数分でアレスティラが現れた。

 目的はエニグマが地球に迫っていることを伝えるため。

 その後しばらくして意識が飛んだ。次は時間を計っておくよ」


 オレと素零は同時に嘆息を漏らす。

 一定の時間内をループしていることは認識できている。

 しかし問題解決の糸口が見つからない。

 

「もういっその事さ、全部ぶち壊してみない?

 目の前にいる存在を全員殺せば案外、事件は解決するかも!」 


 素零が物騒なことを言う。


「もしそれでループしなくなったら地獄だけどな。

 まぁでも、皆殺しも視野に入れて考えてみる必要はあるか。

 あくまでも可能性としてな。まずは他に手を尽くしてからだな」


「え〜!? 最初から()っちゃえばいいのに〜!

 パラドクスもただの胡散臭いオヤジだったし、あの喫茶店から出られないし、もう他に方法なんてなくない?」


「待て、オヤジ? オレが会ったパラドクスは女性だったぞ」


 素零の発言で、またしても謎が深まってしまう。

 どうやらパラドクスの正体は都度、違うらしい。

 オレと素零にだけそう見えているのか、それとも時間軸毎に別の姿をしているのか判断のしようがなかった。


「そもそもこのループ現象はパラドクスが引き起こしているのか?

 あの場には登場しない人物の能力だとしたら完全にお手上げだぞ……」


「だよね〜。

 まっ、でもまだ他にやりようはあるかもね! 

 とりあえずはもうちょいお遊びに付き合うのも楽しいかも!」


 素零がゲームを楽しむお子様モードに切り替わっていた。

 この場合の素零はポジティブで積極的な反面、思考が短絡的になってしまう傾向が見られる。


「──あっ! 到着したよ!

 今回はどうしよっかな〜!」


 素零はウキウキとした表情で光の中へと飛び込んでいった。

 オレもその後を追う。

 氷蜜茶房の店内で素零と美唯子は向かい合っていた。

 オレはこの後の展開を知っている。

 素零は一見すると普通の子供にしか見えない。

 美唯子は警戒の色を微塵も見せず、自ら素零のそばへと近づいていくだろう。


「わ! 可愛い! 雰囲気的にキミもエニグマ? お名前は?」


「オレは6番の素零(ソレイ)。やあ美唯子、今回こそ死んでみる?」


 素零が零の螺旋の発動準備のために光を集めている。

 今回は問答をせずに美唯子を殺害するつもりでいるらしい。


「待て、素零。()()はお前の要望を聞いただろ?

 今回はオレの番だ」


 オレが叫ぶと素零は少しだけ悔しそうな表情をして、右手に集めた光の渦を霧散させた。


「は〜い。素零(オレ)達は一蓮托生だから文句は言わないよ。

 お好きにどうぞ〜?」


 美唯子は状況が上手く飲み込めていないのか、困惑の表情を浮かべていた。


「ミコ、悪いけどドアを開けてくれないかな?」


「──? はーい?」


 オレの指示を受けて美唯子は入口のドアへと駆けていく。

 美唯子がドアノブに手をかけ軽く捻ると、外界へと通じる扉は驚くほどあっさりと開かれた。


「えっと、ペル様、開けましたー!!」


「うっそ、開いたよ、こんなに簡単に? 

 これで脱出成功ってこと!?

 やっぱり、この女(美唯子)が犯人なんじゃ……」


 扉が開くのを見た素零が目を白黒させている。


「ありがとう。そのまま閉じずに待っていてくれ。

 素零、外がどうなっているのか一緒に確認しよう。

 怖くないか?」


「怖い? じょーだん!!

 むしろワクワクするよね!?

 さぁ、いこうか!」


 オレと素零は外へと通じる扉に向かい、同時に一歩を踏み出した。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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