表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

208/236

我凌天星。銀河支配の瞳。


 ──ブラックホール最奥。暗黒世界ヤクミラン。


 暗黒物質(ダークマター)のボスとその娘を懐柔する。

 前者は素零によって殺害されることが確定している。

 その事実を伝えて死を回避させたら歴史はどうなるだろうか。


「久しぶりだな、暗黒物質のオッチャン」


 突然現れた来訪者を前に、暗黒物質親子は二人揃って怪訝な顔をしながらこちらを見ている。


「……何者だ、小僧」


 この時間軸の二人はオレを知らない。

 それならばわからせてやればいい。


「オレは月丘レオ。エニグマ2番だ。

 ()()を祝して握手しましょう」


 親子の手を半ば強引に握って同調(シンクロ)する。

 心が繋がれば、後はオレの記憶を流し込んでやればいい。


「……お、おぉ、これは、貴様は世界の希望……か」

「──あ? あ! ご主人様!?」


 二人共、世界の未来について把握したようだ。 

 メアは目を細めて飛びつくようにして抱きついてくる。

 それを唯は隣で不快感を丸出しにしながら見ていた。


「メアを借りてもいいかな? 久々に本気を出したい」


「…………どこへでも連れていくがいい。

 我々は直に滅びる。貴様に全てを託すとしよう」


「──いや? 死なないよ。オレが全てを変えるから。

 だからアンタ達も考え方を変えてさ、人類との共生も視野に入れてよ。オレが運命を解放する、信じてくれ!」


 暗黒物質は難しい顔をして、口を真一文字に結んだまま視線を泳がし、その数秒後には深々と頭を下げた。


「……合体、する?」

「ああ! 今のオレなら力を完璧に使いこなせる」


 手と手を合わせ、メアと同調(シンクロ)する。

 意識が世界の中に溶けていく。

 心臓が限界を超えて稼働し、やがて役割を他に託す。


「──我凌天星(ガリョウテンセイ)銀河支配(アンドロメダ)の瞳』発動……!」


 宇宙に存在する全てのエネルギーを支配する。

 無限の力と星を詠む力を同時に展開。

 世界で起きている事象が手に取るようにわかる。

 

 ──アレスティラは約束を果たしオレを懐柔──

 ──10番街にて大会開催中──

 ──素零が空の空間に向かい行動を開始──

 ──第三惑星にて新人類覚醒──


 当然だが全てが同時に進行している。

 効率よくどう動くかがポイントになるだろう。

 

「唯、どこから手を出すべきかな」


 唯にも全てが観えているハズ。

 パートナーとして意見を聞くのは当然だ。


「現段階だと10番街に向かうのがいいと思う。

 でも待って、私の力で、さらに過去の事象にも関与できるよ。今、リストを送るから」


 ──刹那が世界に見染められる──

 ──10番が10番(アリシア)に力を託す──

 ──・る!と、お、・ド──

 ──鉄◇面現臨──

 ──素零が◆?を殺害──

 ──1番・Qi℃¡を■■──

 ──S(スピリチュアル)L(ラバー)N(ノンメサイア)N(ノンワールド)月丘唯と接触──


 唯から過去の干渉可能な事象のリストが脳内へと送られてくる。

 一部文字化けしているものがあるが、これは唯には認識できてもオレは知らない情報という考えでいいだろう。


 4月4日より前の時間帯に遡れるというのなら、話は大分変わってくる。オレが時間を操れるのは1日が限度だから、これは唯にしか出来ないことだ。


 上手くやれば今までの全てを根本から変えられるかも知れない。


「じゃあ、とりあえずは現状でやれるだけやってみて、それでも無理なら過去を深掘りしてみよう」


「うん、わかったよ。じゃあまずは10番街?」


「そうだな。10番(アリシア)と接触して、あの時は出来なかった大会優勝をサクッとしてみるか」


 初参加時は不完全燃焼で終わった10番街大会に出場するため、オレ達は転移を開始する。


最後まで読んでいただきありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ