宇宙最強の能力は。オレと美唯子のエニグマ考察。
あーあー。聞こえますかぁ?
「なんだ、ここは。オレは鉄仮面に会いに……この声は美唯子か?」
良かったぁ。ちゃんと聞こえてますね。
ここは私の世界です。
外の世界は1番やその他の勢力に監視されているので、お話したいこともあるし、ペル様を隔離しちゃいました!
「やはりすごい能力だな。それで? 話はなんだよ」
実はですね、ペル様の娘さんの能力に気がついちゃいまして。
「だろうな。美唯子は馬鹿なフリしてるだけだ。
オレは美唯子が優秀なのを知っている」
えへへ……。照れちゃいますね。
まずはペル様、娘さんの能力を解説する前に、世界の仕組みから説明します。
基本的に世界とは、原因があるから存在しています。
つまり、因果関係の元の元。
原点や根源、アカシックレコードなど、呼び方は様々です。
ペル様が属しているエニグマの1番はその更に先の奥にいます。
もはや全能なんてレベルではありません。
矛盾の完全解消や、無を形作れるくらいですから、どちらかというと全能を作り出す側ですね。
「化け物だな。そんな奴倒せるわけがない」
はい。そうなんです。
その1番の能力を細分化し、分け与えられた存在がエニグマだと私は予想しています。
3番の破壊と創造、10番の同調、等々、全て大元の1番が世界に与えた贈り物だと考えると素敵ですよね。
「なるほど。それで、零奈の能力はなんだ?
今まで見た感じだと、万物を視認するだけで消せる。
消されたモノは家族や関係者を巻き込んで完全に世界から消滅する感じだったな」
はい。その通り。
私はそれを踏まえて2番の能力は世界の管理なのではないかと考えました。
例えば地上最強の人類がいたとしましょう。
その人類を最も効率的に倒すにはどうすればいいでしょうか。
「それは、なんだ……。努力する?」
ぶぶー! 違いまーす!
原点を消してしまえばいいのですよ。
どんな人物や物質にも起源があります。
創造論を引用するならアダムとイブです。
アダムとイブの末裔が邪魔なら、アダムとイブを消せばいい。
そうすると存在が完全に消えて無くなります。
「そんな事をできたら宇宙最強だろ。誰も勝てない」
そう考えます? 実はそうでもありません。
2番の能力に対抗できるのはペル様なんです。
「オレが? 零の螺旋を使えるからか?」
あー。零の螺旋も面白いですよね。
色々な考えが湧き上がってきます。
ソレと素零が合わさることで具現化する力。
ソレは光で素零が闇なら……いけません。話がズレました。
とにかく、私は零奈さんの能力を起源抹消と名付けました。
使い方を間違えれば世界など簡単に崩壊するでしょう。
「終の螺旋なんてものもあるぞ。使った瞬間に宇宙が消滅するんだ」
またすごい能力ですね。それは知りませんでした。
その事実を知っているのに宇宙が存在しているということは、ペル様、もしかして歴史を変えました?
「鋭いな、ミコ。オレが終の螺旋の発動を止めた」
さすがペル様です! 私の運命の人!
「それだけどさ、今でも本気でそう思っているのか?」
はい? 疑う余地すらありませんけど!
「そっか……。どうなってるんだろうな。オレは」
うーん? それはどういう意味ですか?
「いや、オレの意思は関係なくて、世界に操られているような気がするんだよ。だとしたら、サラにもアレスティラにも美唯子にも悪いよな。オレの意思はどこに行ったって話になるし」
それなら私、原因を知ってるかもです。
私の元雇い主、すごく頭の良い神様なんですけど、ペル様とサラさんを利用しています。それはもう潔いほどに。
「やっぱりそうか。おかしいと思っていたんだ」
ペル様が不快なら、倒しちゃいます?
私達が力を合わせればなんとかなると思いますけど。
「そりゃ、そうしたいよ。でもレオナルドもいるし、やる事が多すぎる」
ウーン。前途多難ですね。
ではまず、生徒会長との対話を終わらせて、10番街に帰還しましょう。そしてまた改めて作戦会議を!!
「そうだな。鉄仮面の意図も気になるし、とりあえずは戻るか」
それなんですけど、生徒会長も世界の黒幕っぽいので、できるだけ情報を引き出してください。
細かいことは私が分析しますので!
「ああ、わかった。他に何かあるか?」
ふふふ。なんだか二人だけの秘密って感じでドキドキしますね。
これからもこうして繋がりませんか?
「ミコがそうしたいなら、オレは構わないけど?」
キャー! ペル様大好きです!! 結婚してください!
「どさくさに紛れて何言ってるんだ」
ドサクサも何も、私って最初からこんな感じでしたよね?
「ああ。そうだな。戻ってきてくれてありがとう。嬉しいよ」
はい! これからはずーっと、一緒ですから!
「そうだな。頼りにしているよ」
それではまた次回、ご機嫌よー! さよーならー!
最後まで読んでいただきありがとうございました。