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ダンジョン魔王に転生したけどMPが低すぎてダンジョンを守れる気がしません  作者: シャルねる


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第十七話 街到着

 イノリはエルザのステータスを見ていたが、特に盗賊と戦う前と変わっていなかった。

 これが息の根を止めていないからなのか相手が人間だからなのかは分からない。


「あとどれぐらいで街に着くんだ? とゆうかどこの街に向かってるんだ?」

「ロージライア男爵が管理している場所です。そこが一番カエンズ侯爵領から遠いんですよ、近くだとすぐに報告がいってしまうので」

「いや、地獄の森で発見されてその付近の街なんだから見つけたら捕まえてくれぐらいの命令は来てるんじゃないか?」

「大丈夫でしょう。私はまだ社交界デビューを迎えていなかったので」

「......エルザって何歳?」

「女性に年齢を聞くのは失礼ですよ?」

「私は700歳ぐらいだぞ!」


 フェルがそんなことを言ったような気がしたがイノリは聞き流した。

 こんな子供っぽいやつが自分より歳上なわけがないと。

 ただ、聞き流したのはイノリだけでエルザはその言葉を拾ってしまう。


「700歳ですか......」


 エルザもイノリと同じようなことを考えているのだろう。


「うむ! 私は歳上なのだ! 敬え!」

「社交界デビューを迎えてないんだったらこの前言ってた追っ手を混乱とか無理なんじゃないか?」

「......えっと、私の特徴とか伝えられていると思いますし?」

「なんで疑問形なんだよ」

「た、多分大丈夫です! それに私の事が分からなかったら分からなかったでいいじゃないですか!」

「まぁ、確かに?」


 正直イノリはあまり細かく考えていない......考えられない。

 イノリの横でフェルがうるさいからだ。

 何も頭に入ってこない。

 

「お、あれか?」

「はい、そうです」


 一応何があるか分からないのでエルザにMPを回復してもらう。

 取り敢えずフェルにチョップをかまして大人しくさせる。


「痛い!」

「嘘つけ」

「エルザー、イノリがいじめるー」

「......取り敢えず通行料っていくらぐらいなんだ?」

「そう、ですね......大体銅貨三枚とかですよ」

「......俺ら金貨しかないぞ?」


 街が近づくにつれ人が増えてきたので小声でそう言う。


「大丈夫でしょう、多分」

「まぁ、なるようになるか......あと、フェルは喋るな、絶対」

「その言い方だとまるで私が喋るとよからぬ事が起きるみたいになるではないか」

「まるでじゃねぇよ、よからぬ事が起こるんだよ、絶対。喋るなよ? まじで、フリじゃねぇからな?」

「フリ?」

「気にするな」


 なんとか納得して貰えたのでポケットに手を入れアイテムボックスから予め金貨を出しておく。

 手札を無闇に晒す必要はないからだ。

 そして門のすぐ側までくる。

 馬車の方の列はそれなりに混んでいるようだが徒歩の人方は列もなくスムーズに街に入って行っている。

 そしてイノリ達もそこへ行く。


「通行料は?」


 通行料はいくらだ? という意味でイノリが聞く。

 最初はエルザの方がこう言うのに慣れているかとも思ったのだが自分には無理だと言うのでイノリが聞いている。

 エルザにはフェルを見ていてもらうという大役を任せたからというのも大きいのだが。


「......身分を証明できるものはないのか?」

「ないから聞いてるんだよ」

「通行料は銅貨五枚だ」

「これしかないけどいいか?」

「......それしかないのか?」

「これしかないな」

「......まぁいい、どうせ犯罪を犯しているのなら街には入れない」

「なんで?」

「......知らないのか?」

「知らーー」

「結界が貼ってあるんだよ、犯罪を犯した奴が入れないようになる結界が、わかりやすく言えば盗賊とかだな」


 こんなことを言われると少し心配になってくる。

 もちろんイノリは犯罪など前世でも犯したことは無いが魔王が入れるかということだ。

 エルザは大丈夫だと言っていたが今の仕様が変わっている可能性があった。

 だから聞いてみることにした。


「へー、じゃあ人に化けた魔物とかが来ても大丈夫なのか?」

「いや、残念なことにこういう街にある結界は人間か人間に基づいた種族にしか効果はないんだ」


(人間に基づいた? エルザがフェルは獣人と勘違いされるって言ってたし定番で言えばエルフとかもいるんだろうがそれを人間に基づいた種族って言ってるのか? ただの人間至高主義なのか本当にこいつの言っている通りなのか気になるところだが......こいつから答えを聞けるとは思えないな、図書館があるのならそこに行ってみるか? いや、でもそこまで気になることでもないか......また今度暇があったらにしよう)


「どうした?」

「いや、魔物が入り込んできたら怖いなーと思っただけだ」

「まぁ、そうだな、ほらこれ釣りだ通っていいぞ」

「おう、色々ありがとなー」


 そして別れ際にフェルが街に入った瞬間に驚き、一瞬だけゴミを見るような視線で見ていた事にはフェル以外は気づかないのだった。

 お釣りとして渡されたのは銀貨八枚に銅貨五枚だった。


「あ」

「イノリさん? どうしたんですか?」

「いや、宿の場所聞いとけばよかったと思って」

「それなら私が分かりますよ」

「じゃあ案内頼む」

「んー」

「どうしたフェル?」

「なんでもないー」

【?】


 イノリはフェルの様子がおかしいと思うも割といつもの事だなと思いエルザに早く宿に行くよう促す。


「イノリー、帽子ちょうだい」

「なんで?」

「耳隠すー」


(こいつは何を言ってるんだ? 俺に世界中のケモナーを敵に回せと?)


「なんで隠すんだ? 可愛いだろ」


 取り敢えず適当にそう言っておく。

 ケモナーを敵に回したくないからだ。

 この世界にいるかは分からないが。なんとなく。


「......いいから頂戴」


 少し照れた様子でそう言うフェル。

 イノリは仕方ないので適当に帽子を創造して渡す。

 人がいるところで創造すべきじゃないのかもしれないがフェルが早くとうるさかったのと見てる人達はアイテムボックスだと思うだろうと思ったからだ。

 そして一番の理由はケモナーがこの世界にいるならもっと獣人とかがいる街や村にいくとおもったからだ。

 少なくともイノリは獣人の姿を確認していなかった。


「これでいいか?」

「ありがと」

「ああ」

「もうすぐですよ」

「分かった、いくらぐらいか分かるか?」

「一部屋金貨三枚ぐらいですよ、たしか」

「高くね?」

「ここしか私は知らないので」

「まぁ、いいか」


 どうせイノリは金貨を創造出来るのだからいいかと思う。

 少しというかかなりずるい気もするが。

 

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