閑話:眷属達
短いけど......閑話だし、ね?
イノリのダンジョンではフェルの眷属四匹がいた。
残りの一匹は外で魔物が来ないか警戒している。
警戒と言ってもフェンリルの眷属なのでフェンリルと気配が似ており余程のバカ、考え無しではない限り攻めてくる事はないだろう。
「グルルルゥ」(姉さんも眷属使いが荒いなぁ)
「グルゥ、ガゥ!」(我らを生み出してくれたお方に対して姉さんはやめろと何度も言っているだろう!)
「グルゥ、グルゥ」(まぁまぁ、もういつもの事じゃん)
「グルルゥ」(フェンリル様も気にしてないって言ってるし)
フェンリルの眷属は意外と個性豊かだった。
「グルルルルゥ」(フェンリル様が気にしてなくてももう少し敬意を払えと言っている)
「グルゥ」(敬意は払ってるよー?)
「グルゥゥ」(生みの親だしね〜)
「ガゥゥ?」(寝ていい?)
「グルゥ!」(お前だけずるいからだめ!)
「グルルゥ!」(いいわけがなかろう!)
「グルゥー」(だめー)
そんなくだらない会話(?)をしてた時だった。
「グルルルルルルルゥ!」(敵襲!!)
外で見張りをしていたものの声(?)が聞こえたのは。
その瞬間ダンジョンの外に走り出し見張りをしていたものと合流する。
そして見張りをしていたものの目の前には五十匹程のオークがいた。
「グルルルゥ?」(どうやってオークがこんな所まで来たんだ?)
「グルゥ?」(さぁ?)
「ガゥ、ガゥ」(美味しそう)
「グルルルゥ」(運良くここまで来ただけだろう)
「グルルゥ?」(どうやって倒す?)
「グルルルゥ」(いつも通り早い者勝ちだ)
【グルゥ!】(了解!)
そして眷属達はオークの首元を噛みちぎって行く。
眷属達は自分で倒したオークはちゃんとオークの居ない場所にまとめている。
自分の分の食料を横取りされたり、オークに踏み荒らされたくないからだろう。
「グルゥ! グルゥ!」(あ! 俺の獲物!)
「グルルゥ」(早い者勝ちだぜ!)
そんなやり取りをおこなうぐらいには余裕があるようだ。
そして戦いは終わり皆自分のオークの数を数えている。
「グルルルゥ」(こっちは十二匹だ)
「グルゥ」(僕は八匹)
「グルゥ」(十匹)
「グルルゥ」(俺は十五匹だ)
「グルゥ、グルゥ」(はぁ、三匹だよ)
「グルルルゥ!」(よしじゃあおやつタイムだ!)
【グルゥ】(了解)
「......グルゥ」(......了解)
一番テンションが低いのは一番オークの数が少ない眷属だ。
それを見ても他の眷属は自分の分を分けようとは思わない。
そもそもフェルが食べてくれてさえいれば死ぬことは無いのだ。
眷属達がオークを食べているのは一種の娯楽に過ぎない。
これがもし食べなければ死ぬという事なら他の眷属も分けていただろうが......。
「グルゥ〜」(美味しかった〜)
「グルゥ」(戻るか)
「グルゥ、グルルゥ」(じゃあ、次は俺が見張りの番だな)
「グルルゥ、グルゥ」(おなかいっぱい、眠い)
「グルルルゥ」(もう魔物が来ませんように)




