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ダンジョン魔王に転生したけどMPが低すぎてダンジョンを守れる気がしません  作者: シャルねる


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第十六話 魔王とフェンリルにも怖いものはある

 あれから商隊には敵ではないとわかって貰えたのでお礼ということで金貨五枚を貰いイノリは川で血を洗い落としていた。

 護衛が死んだ訳でもないので商隊とは別れている。

 このまま商隊と行動したら繋がりができ楽に街にも入れるだろうが、面倒なことが起こりそうなのでやめておいた。

 商隊に居た商人たちは是非一緒に行きましょうとしつこかったがなんとか断った。

 フェルとエルザは少し離れたところで水を浴びている。

 最初はフェルがイノリと一緒に来ようとしていたがエルザに止められエルザと水浴びをしている。

 エルザは魔法で戦ったので血を浴びていないがレディーの嗜みといいフェルと一緒に水浴びをしているようだ。


「なかなか落ちねー」


 服に付いた血が全然落ちないのである。

 イノリは服を洗いながら自分のステータスを確認するが特に変わりはなかった。

 人間相手だからなのかイノリが何もしていないからなのかはエルザのステータスを見れば分かるだろうと思い軽い反省会をする。


(鑑定眼で相手のステータスを最初に見ておくべきだったな......勝ったからよかったもののあの盗賊が異様なぐらい強い可能性もあったはずだ、お約束を破ってこなくて助かった)


「よし、こんなもんか」


 そう言いイノリは服をアイテムボックスにしまい新しい服を創造する。

 MPが勿体ないと思ったが乾かすには時間がかかるしエルザに魔法で乾かしてもらうことも出来るかもしれないが事故が起こり気まづくなるのは嫌だったので仕方なく創造した。

 そして終わったらここに来ると言っていた場所に来るがまだ誰もいなかった。


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

「フェルさん、そんなに強くしなくても落ちますから」

「むぅ、ならエルザが私の服を洗ってくれればいいだろう、私はあっちで遊んでおくから」

「あ!」


 そう言いフェルは逃げるようにしてその場から離れる。


「......仕方ありませんね」


 そう呟きフェルの服を洗っていたがふと疑問に思う。

 何故フェルはフェンリルの姿の時に服がなかったのに獣人のような姿になったら服を着ていたのかと。

 そしてフェルの服をよく観察してみるが普通の服にしか見えなかった。


「ん〜、気になりますが今は早く洗ってしまいましょう」

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


「よし、見た目は覚えたぞ、これで創造出来るはずだ」


 イノリは金貨を創造出来るかを試そうとしていた。

 金貨の価値はエルザに聞いたところ一般人からしたらかなりのものらしい。

 そして簡単に創造出来た。

 金貨しか見た目が分からないから金貨しか創造出来ないのが残念だがすぐに解消されるだろう。

 金貨一枚でMP消費は20だ。

 さっき服を創造したから一枚しか創造出来なかったが創造出来ることが分かったので取り敢えずはいいだろう。

 

「んー、あれだな、カメラとか創造出来ないかな? カメラがあればこの前エルザはの顔に落書きした時の顔とか撮るのに」

「へ〜、それっていつの話ですか?」


 ギギギ。

 そんな擬音が聞こえてきそうな速度で声のした方を見ると笑顔のエルザはがいた。

 もちろん近くにフェルもいたがフェルは何の話か分かっていないのでエルザの突然の謎の圧がある笑顔に恐怖していた。


「おー、フェル、ちゃんと服の血が落ちてるなー、服はエルザに乾かしてもらったのか?」

「ええ、私が乾かしました。それで、いつの話ですかと聞いているのですが聞こえてませんでしたか?」

「あ、ははは」


【炎よ目の前に存在する悪の権化を燃やし尽くしなさい】


 エルザがそう言うとイノリに向かって炎が向かってくる。


「ちょ、火事になったらどうするんだよ!?」

「ふふふ、安心してください、悪いものしか燃えないようになっているので」

「な、なら俺も燃えないよな?」

「さて、どうでしょうね」

「私は熱くないぞ?」


 フェルは熱くないようだが正直フェンリルパワーの可能性があるので信用出来ない。

 イノリは全速力でさっきの川まで走る。

 横にずれたりして何度か回避を試みたがまさかのホーミング式。

 そして本当に木が燃えていなかった。

 そしてイノリは川までたどりつくが飛び込むのを躊躇ってしまう。

 さっきMPを使って出したばかりなのだから仕方ないだろう。

 ただ後ろに炎が迫っている中でそんな躊躇を見せてしまえばたちまち炎に飲み込まれてしまう。


「あっつ......くない?」

「もう、イノリさん、本気にしすぎですよ」


 そこにはうふふふふと目は全く笑っていないエルザがいた。

 その後ろには怯えているフェルが。


(フェンリルが怯えるってどうなレベルだよ!?)


 心の中でそう思いながら見事なまでの土下座をするイノリ。


「申し訳ありませんでした!」

「もう、どうしたんですか? 私は最初から怒ってなどいませんよ?」


 そう言い普通に笑っているエルザを見てイノリとフェルは心の底から安堵するのだった。

 そしてイノリはもう絶対とは言わないけどたまにしかイタズラはやめておこうと誓うのだった。

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