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ダンジョン魔王に転生したけどMPが低すぎてダンジョンを守れる気がしません  作者: シャルねる


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第十五話 フェンリルは凄い

「暇ー」

「暇ならお金でも探してきてくれ」

「地獄の森にお金があるとは思えませんが......普通の人は入ろうと思いませんし」

「自分に自信のあるやつとか来ないのか?」

「何人かはいるのでしょうがそんなこと聞いたことがないので......」

「事切れてると」

「はい、そもそも地獄の森に来るのにお金を持ってくるとは思えません」

「盗賊とかは居ないのか?」

「この森にはいないと思いますが他の街道がある所付近にはいると思いますよ」

「じゃあフェル、盗賊退治してきて」


 盗賊ならお金を持っているはずだし盗賊を退治して恨まれることも無い。

 だからフェルに頼んで見たのだが断られる。


「お金が無いと街に行けないだろ」

「なんで私が行かなくちゃならん」

「強いから?」

「それならイノリでもいいだろう」

「俺でもいいけど食料どうすんの?」

「あ」

「あ、じゃねぇよ」

「私が行ったって私の食料がない」

「フェルは適当に動物や魔物を狩ればいいだろ」

「生はもう嫌なのー」

「あの、普通にもうフェルさんが眷属を出して全員で行けばいいのでは?」

【あ】


 エルザに言われるまで全く気づかなかった二人。

 そうとなれば話は早い。

 フェルが狼の眷属を五匹出しこのダンジョンを守るように言い聞かせる。


「食料は大丈夫なのか?」


 そう聞いてみるもフェルが食べれば大丈夫らしい。


「ちなみになんだが眷属ってどれぐらい強い?」


 イノリとしては自分の命を預けるようなものなのだから眷属の強さを聞いておきたかった。


「私の半分ぐらい」


(レベルだけで見たとして392の半分......196が五匹......)


「うん......多分安全だな」

「では、行くんですか?」

「うるさいやつがついてくるが逆に盗賊に見つけて貰えそうだしな」

「お金が無いと人の街には入れぬのか?」

「はい、私たちは身分を証明できないので通行料がかかりますね」

「じゃあ行くか」


 そう言い最初はフェルに案内されながら歩き地獄の森を出たところでエルザに案内してもらう。

 ちなみにスーはお留守番だ。エルザとの一件で魔王だとバレてしまうからだ。


 魔物はフェルのおかげか出てこなかった。

 そして街道付近まで来るとフェルに盗賊を探してもらう。


「あっちから人のにおいがするぞ」

「その姿でもにおいとか分かるのかよ」

「姿が変わっただけでその辺は変わっておらぬ」

「エルザは大丈夫か?」

「はい」


 エルザが疲れていればフェルを元の姿にさせて背中に乗せようと思っていたのだが大丈夫なようだ。


「早く来ぬか」

「へいへい」

「今向かいます」


 フェルに急かされて来たはいいものの目の前には盗賊に襲われている商隊がいた。

 戦っているのは護衛と思われる人物たちだが。


(お約束ってやつかよ......)


「イノリさん! 早く助けましょう」

「あー、うん、フェルも頼む」


 お約束だなんて思っていたのはイノリだけでフェルはよく分からないがエルザは早く助けないとと焦っていた。


(あ、フェルに手加減するように言うの忘れてた)


「おーい、フェルー」


 イノリがそうフェルに向かって叫ぶ頃には五人ほどの盗賊は文字通りぐちゃぐちゃになっていた。

 そしてフェルはイノリの声を聞きイノリの方へ走ってくる。

 返り血をつけたまま。


「ちょ、近づくなバカ、血だらけじゃないか」

「安心せい全て返り血なのだ」

「分かってるわ! その返り血が俺にもつくだろうが、手加減しろ!」


 そんな中フェルに助けられた(?)護衛は唖然としていた。

 その仲間らしき人達が周りで戦っている中を。

 盗賊も自分たちの仲間がぐちゃぐちゃにされる姿を何人かが見ていたようで驚いているが目の前の商隊の護衛のおかげでまだ正気を保てていた。

 エルザの方も護衛と戦っている盗賊の不意をつき魔法を放っている。

 エルザの魔法はイノリが見てオーガギガと戦った時より弱いのを見るとフェルと違いちゃんと手加減しているのだろう。

 そして運の悪いことにイノリとフェルのやり取りをチャンスと見た盗賊はイノリとフェルを囲む。

 そしてフェルの先程の手加減なしのパンチを見ていなかったようで獣人として多少の警戒はしているようだがそれだけだ。

 フェルについている返り血をフェルのものと思っている可能性もあるが。

 イノリに関しては武器も持っていないので警戒していない。


「降伏するならお前だけでも見逃してやるぞ?」


 気持ちの悪い笑みを浮かべながらイノリにそう声をかけてくる。

 その横でフェルが今にも襲い掛かりそうなのを止めながらイノリも答える。


「助ける気なんてないんだろ?」

「ひゃははははは、わかってるじゃねぇか」


 盗賊は襲いかかろうとするがいつの間にかイノリの横からいなくなっていたフェルに吹き飛ばされる。

 イノリの先程の言葉を覚えていたのか一応手加減しているようだ。

 

【......は?】


 周りで戦いが起こってる中で間の抜けた空間が出来上がる瞬間である。

 ただそんな空間が出来たのは一瞬でフェルが一人また一人と犠牲者を作り上げていく。

 六人ほど吹き飛ばされたところで状況を理解したのかその場から逃げ出そうとするがその全てがフェルにより無力化される。

 そしてエルザが近くによってくる。

 周りを見ると既に戦いは終わっており護衛の何人かが馬車の中に行き何かを説明しているようだ。

 残った護衛はイノリ達を警戒しながら見ていた。

 一応助けてもらったというのは分かっているのか武器は手に持ってはいるが構えてはいない。

 

「取り敢えずフェル、それ以上近づくな」

「なっ、私が一番敵を倒したのだぞ!」

「いや、意味わかんないし血だらけじゃん、やだよ」


 イノリがそう言うと無駄にフェンリルパワーを発動してイノリが目で追えない速度で後ろに周り抱きついてくる。


「うおっ、おま、バカ、離れろ!」


 そう言うと今度は前に周り抱きつく。

 そんなことをされれば当然イノリの体も血だらけになってしまう。

 そして護衛たちはイノリとフェルのやり取りを見て警戒を緩めるのだった。

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