第十三話 奇行の代償
あれから何匹か蛇の魔物だったり何故かイカのような魔物だったりを倒してレベルが上がった。
レベル:40
種族:不明
クラス:魔王
HP:8935/8935
MP:110/139
魔力:5236
筋力:2675
耐久:2103
俊敏:1468
固有:言語翻訳
スキル:アイテムボックス、鑑定眼Lv2、投擲Lv1、剣技Lv2、奇行Lv1
レベル:25
名:エルザ・カエンズ
種族:人間
クラス:貴族
HP:963/963
MP:1439/1702
魔力:803
筋力:110
耐久:156
俊敏:259
固有スキル:無し
スキル:交渉Lv5
レベル:6
名:スー
種族:スライム
クラス:無し
HP:26/26
MP:19/19
魔力:16
筋力:3
耐久:5
俊敏:5
固有スキル:無し
スキル:無し
スーのレベルが上がっていた。
戦っていたイノリやエルザとの上がり幅が大きいがスーはエルザの頭の上にいたので仕方ないだろう。
エルザは魔法で戦うのでスーが頭に乗っていても支障はなかったようだ。
イノリの方がエルザよりレベルが上がっているのはイノリがトドメを指しているからだろう。
エルザの魔法は強力ではあるが決定打にかける。
そしてイノリとエルザのスキルのレベルが上がっていた。
イノリは自分の鑑定眼のレベルが上がっていたからフェンリルのスキルを多少なりとも見れたのかと思って他のスキルも確認していたのだが一つだけ不思議なものがあった。
(奇行ってなんだよ! いや、頭おかしいことしたのは認めるけどなんでスキルに追加されてるんだよ! なんの得があるんだよ!)
これが称号とかならまだ納得ができた。
ただ、スキルとなると意味がわからなかった。
これをエルザに話してみると......。
「自業自得ですね」
「うっ、それはそうなんだがな......」
「普通あんな馬鹿なことはしません」
「......」
また説教が始まりそうだったので黙るイノリ。
そしてエルザが口を開こうとした瞬間にイノリは洞窟を見つける。
「あ、あれとかどうだ?」
「......確かにいいですね」
エルザも納得してくれたようなので魔物が住み着いていないかを調べるも特にそれらしい形跡はない。
取り敢えずダンジョンコアを埋めて、アイテムボックスからベッドやらなんやらを取り出す。
エルザはというと魔法で水を出しイノリがタオルを創造しダンジョンの奥で体を拭いている。
タオルのふかふかさに驚いていたが気にしない。
「さて、飯でも創造するかね」
そう言いシチューをエルザの分だけ創造してイノリはベッド入る。
魔王の体とはいえ疲れたのだ。
食欲がわかない。
精神的な疲れや肉体的な疲れでいってもどう考えてもエルザの方が疲れているだろうが。
そしてイノリは眠りにつく。
ただイノリの眠りは長くは続かなかった。自業自得だろう。
フェンリルが来たのだ。
エルザに何故いるのか聞いてみたところ外からくんくん何か匂いを嗅ぐ音が聞こえてきたから外を見たらいたらしい。
(......やっぱただの犬じゃねーか、匂いたどってくるんじゃねーよ)
そう思うもこのまま眠っている訳には行かない。
「あ、あの......先程は申し訳ありません、ほんの出来心だったんです」
「ん? 我にあの肉をくれた事か? 我はその肉がまた食べたくてきたのだぞ」
そんな事を言ってくるフェンリル。
エルザに至ってはフェンリルの言葉は分からないので下手に口を出さないようにしている。
(......このフェンリル自分が馬鹿にされたことに気づいてないのか? いや、犬だと思ってるから気にしてないのか?)
そう思いフェンリルに犬について聞いてみる。
この世界にいるかは知らないが。
「あの〜、犬についてどう思いますか?」
「犬? 嫌いではないぞ? ただ我と犬を同じ扱いにしようとしている訳ではあるまい?」
そう言い軽い殺気が放たれる。
(うん、バレたら死ぬわ)
「ははは、まさか」
「うむ、それでさっきの肉の話だ」
「はい」
「食べさせろ」
「......」
「もちろんただでとは言わぬぞ?」
「......何をしてくれるんですか?」
「我もここに住む」
仕方ないので取り敢えずイノリは魔王ということは明かさずに色々と話す。
そしてそれとなく断るためフェンリルをおなかいっぱいにするほど創造すれば自分たちの食べるものが無くなると。
するとそれが地雷だったようでフェンリルは白い髪のロングに黒い瞳、身長150cm程のケモ耳が生えた美少女になってしまった。
イノリはしまったと思う。
鑑定眼で人化のスキルがあるのを確認していたにも関わらずフェンリルをおなかいっぱいにするのは無理と言ってしまった。
そんなことを言えば人に似た姿なら良いと思ってしまうだろう。
「これなら問題なかろう! これなら人の言葉も喋れるしな」
フェンリルがここに住めば他の魔物は寄り付かないだろう。
ただ、怒らせれば確実に死んでしまう地雷を抱え込むより他の勝ち目のある魔物が来る方がまだマシである。
イノリは仕方ないので賭けとして全てを話した。
「ふむ、それで我にそのえむぴーとやらを注いで欲しいと」
「はい、そうすればいっぱい食べ物を創造できます」
「よかろう!」
(この食いしん坊ならそう言うと思ったぜ)
そして早速MPを注いでもらおうとするが何故か出来ない。
エルザに何か特別なことをしているのかと聞いてみるが分からないと言う。
「はぁ、仕方ないか......」
「まぁ、いいじゃないですか、フェンリルでしたっけ? そんな強い方がいてくれるんですから......イノリさんが怒らせなければいい話です」
「イノリ! ベッドが二つしかない私の分も出してくれ!」
「なんか一人称変わってませんか?」
「この姿だからな、威厳を保つ必要がない」
イノリはこいつに敬語使うのやめようと決意するのだった。




