第一話 ダンジョンマスター
「不遇種族で最強を勝ち取った私は異世界へ」
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こちらもよろしければ是非。
「どこだここ?」
男はどこかの洞窟にいた。
「ああ、そう言えば死んだのか」
男は自分が死んだというのに何故か落ち着いていた。
何故こんなにも落ち着いていられるのかは男にも分からなかったが。
「なんだこれ?」
男は自分の近くに転がっている丸いくて黒い水晶の様な存在を見つける。
それに触れてみると色んな情報が男の中に流れ、男は意識を失う。
しばらくして男は意識を取り戻す。
そして黒い水晶の様なものに触れ分かったことは何故か自分が死にこの場所のダンジョンマスター=魔王になったということだった。
それ以外にも魔王はMPによって何かを色々と創造することが出来ることだったり、男が触ったものはダンジョンコアと言われるものでそれを破壊されると男も一緒に死ぬ事だったりと色々。
そして男は呟く。
「ステータス」
そう呟くと男の前に半透明の板のようなものが現れる。
レベル:1
名:イノリ
種族:不明
クラス:魔王
HP:3560/3560
MP:100/100
魔力:2395
筋力:953
耐久:821
俊敏:782
固有スキル:言語翻訳
スキル:アイテムボックス、鑑定眼Lv1
「......MP低くね?」
その男、イノリがダンジョンコアにより与えられた情報によると普通の人種のMPの平均は300だそうだ。
そしてイノリは魔王は人種の何倍ものステータスを所持していると情報を与えられていた。
ちなみにステータス表示は鑑定眼を持っていないと使えないらしい。
「ダンジョン守れなくね?」
魔王はMPを使いダンジョンに罠を創造したりモンスターを創造したりしてダンジョンを守るのだがイノリにはそれができる気がしなかった。
「いや、一度何かを創造してみよう......俺が思ってるより消費が少ないのかもしれないし」
そしてイノリは自分の姿を確認したかったので手鏡を創造することにした。
そして手鏡は簡単に作ることが出来た。
「よし、自分の姿を確認する前に肝心の、ステータス」
レベル:1
名:イノリ
種族:不明
クラス:魔王
HP:3560/3560
MP:70/100
魔力:2395
筋力:953
耐久:821
俊敏:782
固有スキル:言語翻訳
スキル:アイテムボックス、鑑定眼Lv1
「.....こんな手鏡一つで30もMPももっていかれるのか?」
ダンジョンコアの情報によると創造するものによってもっていかれるMPが違ってくるようだ。
そしてただの手鏡を創造しただけでMPが30ももっていかれたら他のもの、ましてやモンスターなんて創造出来る気がしなかった。
「取り敢えず自分の姿を確認しよう......うん、きっとなんとかなる、うん」
そう自分に言い聞かせるように頷くと手鏡を覗き込む。
そこには黒い髪に赤い瞳をした男がいた......イノリだ。
「これが俺か......随分かっこよくなったな」
自分の姿が変わっていることに何故かは分からないが特に違和感を感じなかったが、自分の姿を確認し終えたイノリは一応といった形で手鏡をアイテムボックスにしまう。
念じるだけで出し入れ出来るのは便利だなと思いながら後の事を考える。
「はぁ......どうしよまじで」
ここで悩んでいても仕方がないと立ち上がり洞窟の外に出てみる。
出てみたところにあったのは大量の木だ。
「森の中ってとこか? まぁ、俺のMPの量を考えたら人種達に見つからないに越したことはないか」
そう自分で言いながらいつかは見つかるんだろうなと思い、それまでにダンジョンを発展させようと思うのだった。
そしてある程度周りを確認したイノリはダンジョンに戻ることにした。
「まずはどんなものを創造すればMPがどれだけ減るのかの検証だな」
そしてまず最初にイノリが創造したのは卵とオムライスだ。
さらにオムライスを食べるためのスプーンも創造する。
何故そんなものを出したのかと言うと単純にお腹が減っていたからだ。
「美味い、何だこのオムライス、美味すぎるぞ!」
瞬く間にオムライスを食べつくしさっきのMPの減少量を頭の中にまとめる。
(卵を創造した時は25、オムライスを創造した時は30、そしてスプーンは10、スプーンはともかくとしてオムライスと卵はなんでだ? どう考えても米とケチャップ、そしてお皿もついてくるオムライスの方が卵よりMPの消費が激しいはずだ)
そう考えるもイノリには分からなかったし別に分からなくても自分が得しているのだからいいかと思い考えるのをやめる。
そしてイノリはMPの回復は時間経過ということで寝ようと思ったのだがオムライスと卵、ついでにスプーンを創造してしまったことによりベッドや毛布を創造出来ないことに気がつき後悔するのはもう少し後だった。
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