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代わり
この世界ではみんな
自分の代わりを探してる。
みんなが似たような誰かを探すから
だんだんと色褪せぼやけていく。
代わりに責任を負う誰か。
代わりに用事を済ませる誰か。
代わりに仕事をする誰か。
代わりに雨に濡れる誰か。
代わりに生きる誰か。
代わりが欲しい。
誰でもいいから。
僕じゃない、俺じゃない、私じゃない誰かが。
誰かが代わりになってくれるなら
喜んで人生を差し出すよ。
記憶も、感情も、人格だって
余すことなく。
――束の間の自由だ。
誰でもない自分自身だ。
いつまでもこのままがいい。
誰でもない誰かでいたいのに。
声がする。
遠くから、誰かを呼ぶ声が。
誰でもない僕は、俺は、私は
そこへ行かなくちゃいけないんだ。
大学課題、無事に終わりました。
代償は生活リズムの崩壊です。




