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ズレている
疲れた
だからと言って
なにかが変わるわけでもない
「疲れた」
ああ、そうかい
だから何だっていうんだ
一冊の本を読んだ
結末が気に入らなかったけれど
のめり込んでいる自分がいる
なにが好きなのか
なにが嫌いなのか
とうに分からなくなっている
右手も左手も
色のない陰を掴んでいる
けれど、そいつらは
嫌味たっぷりに嗤うんだ
「お前如きになにができる」
そう言って嗤ってる
大した理由なんてなかった
強いて言うなら
両手に棲み付いた陰が
五月蝿いと思ったから
理解なんて求めてない
受け入れて欲しいだけ