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善くないもの
夢から覚めた時
おれはすぐさま異常に気付いた
洗面所の鏡を覗くと
いつも通りのつまらない顔がそこには映っていた
嗚呼、だが解る、解ってしまう
これはおれではない
感覚として伝わってくる
なにか善くないものが這い上がってくる
そう、いうなれば
それはヘドロのようであった
だが、どこか
親近感が湧くような感覚でもあった
突如として、顔が爛れはじめた
腐った目玉が地面に落ち、口は裂けた
なんということか
これは善くない、止めなくてはならない
しかし為す術もなく
おれは崩れ去ってしまった




