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金属バット
こんなにも憂鬱で
こんなにも爽快な
この気持ちを持て余したくなくて
手始めに世界を終わらせてやろうと思った
金属バットを振り回して
こころの赴くままに
誰でもよかった
別に君じゃなくてもよかったんだ
傘なんて持っていないのに
土砂降りの雨がおれを襲う
午前二時過ぎの闇の中
どこかでずっと猫が鳴いていた
右手に持った金属バットが
やけに重く感じた
振り回すのも面倒になって
そこら辺の茂みに放り投げた
猫の鳴き声が止んだ午前三時頃
おれは何も持っていなかった
くだらない現実だけは
どこまでも追いかけてきた




