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詩・それに似た何か  作者: 暗雲(くらうん)
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亡霊



名も知らぬ亡霊がここにいる。

半透明で濃度の希薄なその体は、

夕焼けを内包して発光している。



声が出せないのだろう。

何度も、何度も、何度も、何度も、

自身の喉元を引き裂いている。



やがて自身の姿の異常さに気付いたそれは、

驚愕とともに慌てふためいた。

なにせ、体の向こう側が透けて見えているのだから。



ゆらゆらと、風に吹かれる度に、

それは目を固く閉じて、両手を合わせ祈っている。

消えたくないという一心で。



やがて風が吹き去り、それは目を開ける。

自身の体がまだ消えていないことを知る。

その時、安堵と恍惚の入り混じった瞳を見た。



――あの形容し難い奇妙な瞳が、いまもおれの中に居座っている。




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― 新着の感想 ―
[一言] 自分がそうなった時、消える事と残る事のどちらを望むだろうか… 何も残せない傍観者が、それでも残っている意味があるのだろうか…
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