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立ち眩み
くらり
立ち眩み
視界に広がる景色が
段々と色を逃がしてゆく
明滅
崩壊
モノクロに置き換わる
広げたこの手も
くらり
立ち眩み
気付くとそこは
誰もいない平坦な場所だった
頭痛
焦燥
わけの分からないこの場所から
早く、早く抜け出さなければ
少しずつ
少しずつ
境界が喪失する
迷い込んでしまう
誰もいないあの場所に
なにもないあの場所に
どこにいても
気付くと眼前には
見慣れ始めたあの場所がある
きっとそう
これは幻覚だ
果てしなく続く
終わりなき呪い
現と虚無の世界が
そっくりそのまま入れ替わる
その時まで
くらり
立ち眩み
手招きは続く――




