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夢売り屋
いつもの公園に
ゆっくりと向かう
古着屋の奥の奥にあるような
煤けた茶色のコート着て
鞄を背負っている人なんて
この公園にはいない
小さな子供たちが
楽しそうにはしゃいでいる
それを見守る親は
慈愛の眼差し
入り口から十二歩
苔すら生えそうなベンチ
鞄と腰を下ろして
静かに待っている
すると、ほら
子供たちが寄ってくる
鞄の中身を欲しがって
やいのやいのと騒ぎ出す
落ち着いて並んでね
順番を守ってね
大丈夫、無くなりはしないよ
ちゃんと、君にもあげるさ
きらきらと
眩しく輝く
誰かの夢
誰かが諦めて捨てた
誰かが嗤って貶した
……そんな夢たち
君の手の中で
いっそう強く輝いて
導いてくれるさ
君の未来へ




