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楽だから
咳をしたとき
そのまま呼吸がとまればいいのに、と思う。
歩いているとき
そのまま轢かれてしまえばいいのに、と思う。
眠るとき
そのまま目覚めなければいいのに、と思う。
僕にとって
それは最も恐ろしい。
暗闇が、空虚が、絶望が
手招きをして待っている。
それが何より恐ろしい。
今生きていることにすら
意味が見出だせないのに、
そんな僕が
未来を待っているわけがない。
このまま終わればいい。
全然、全く、これっぽっちも幸せじゃないけど。
これからのことを考えるより、
これからのことを思うより、
これからを生きるより、
ずっと、ずっと楽だから。




