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SILENT
彼のことは
きっと誰も知らない
透明な酸素と同じように
透け始めている
仮面の群れが
罅割れたまま
気にもせずに歩いている
あれが命だろうに
SILENT SILENT
この夜は
正義も悪も消えてしまう
なんだってできるのさ
みんながみんな
狂ったようにはしゃぎだす
きっと彼の仕業さ
回帰を解放 懺悔を賛美
天界を徘徊 盲目を黙認
足音SILENT 命日SILENT
手のひらを空へ
降りもしない雪を
それでも待っているから
曇天は逃げてゆく
雨の一滴さえ
踊りはしないのは
きっと彼の仕業さ




