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ヒトというものは
ヒトというものは
どこへと向かって
どこに行き着くのでしょう
なにを求めて生きて
なにを嫌って憎み
なにを望んで叫ぶのでしょう
嗚呼、わたしには到底
理解が及ばないものです
かつてヒトであったはずなのに
ちっともさっぱり分からないのです
どの時代であっても
晴れた日の夜空は美しく
どの場所であっても
雨や風は来るものです
だというのに
ヒトというものは
その不幸を、その幸福を
自分だけのことだと
思い込んでしまうのでしょう
いつも誰かが死んで
いつも誰かが生まれる
そんな当たり前にすら
気付けないのでしょうか
嗚呼、なんという惨めさよ
かつてヒトであったからこそ
その無様さが癪に障るのです
なにも変えることができず
誰にもなれないまま
ヒトというものは
廃れゆくのでしょう
そのことを私は――私だけは
よぉく、よぉく知っているのですから




