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紫陽花
季節は変わり
雨は止んだ
梅雨の形見が
路上に斃れる
枯れた紫陽花を
無造作に手のひらへ
力も籠めずに
握り潰す
ほら、あっけなく
灰色の粉になる
手触りだけは
心地良かった
くしゃり、くしゃり
さらり、さらり
潰す
舞う
潰す
笑う
季節は変わり
木枯らしが吹く
道端にある
灰色の紫陽花
目が眩んだ
笑顔が零れた
どうしようもなく
笑っていたんだ
僕は生きるよ
紫陽花を背負って
灰色のまま
色褪せたまま
くしゃり、くしゃり
さらり、さらり
潰す
舞う
泣く
散る
季節は変わり
変わり続けて
どうでもよくて
笑っていた




