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Harmony
『調和性の怪物』
『合理的思考を食らう神々への反逆』
『脇腹を抉られた少女の子守歌』
『絵画を這う蠅の瞳』
『地獄を渡る舟』
『握り潰した五分間の沈黙』
『運命制御装置』
『愚弄する人類の横顔』
『破裂』 『爆散』 『粘着』 『蒸発』
『創れ 創れ 創れ 創れ――』
嗚呼、駄目だ!
五月蝿い! 五月蠅くて堪らない!
鳴り止まないこの怨嗟を、イメージ群を、今すぐに消すんだ!
おれに全てを寄越せ!
感情や記憶、血液、爪の垢も何もかもだ!
創らなければならないんだ、調和性の怪物を!
そうしなければ、世界が、おれが救われない!
早く!
寄越せ!
す べ て を よ こ せ !
――彼は間違いを犯した。
現実の存在を否定しない限り、調和の完成点は際限なく膨れ上がる。
つまるところ、彼はただの怪物に成ってしまった。
増える手足、瞳、顔、細胞を制御できずに暴走した。
またひとり、Harmonyに殺されたのさ。




