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コドク
生き残るためだけに動き続けて
最後のひとりになったとき
全てを失った挙句
いいように使い潰される
仲間なんて必要なかった
その空間に渦巻いている
貪欲な生への執着が
脳味噌を侵食していた
その頃は信じていた
自分以外が消えさえすれば
絶対的な生存が
この上ない自由が約束されていると
今なら分かる
昇華されたこの肉体に潜む
致死の毒さえあればよかったのだ
それ以外に価値なんてなかった
たった一人生き残って
肉体以外の全てを失って
生も自由も奪われて
残ったのは肉体に宿った呪いのみ
やがてこの身を滅ぼす
コドクのみ




