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光の粒
ぼんやりと浮かんだ
光の粒が見えた
それが何なのか
何を伝えようとするものなのか
まるで見当がつかない
そもそもの話
この光の粒に
意味なんてあるのだろうか?
近づいて触れてみる
微かだが
温もりがある
まるで人の体温だ
次の瞬間
わたしは光に飲み込まれてしまった
為す術もなく
ぎゅっと目を閉じた
――目を開く
陽の光が差していた
風がそよいでいた
知らない景色の中
知らない誰かと
知らない話をしていた
それでも温かかった
あの光の粒のように
繋いだ手のひらのように――
気付くとわたしは
部屋の床で横たわっていた
視界が滲んでいた
光の粒なんてどこにもなかった
やけに寒く感じた
手のひらには虚しさだけが残っている




