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おれとおまえ
特に何かあったわけでもない毎日を
向かいの席に話して聞かせる
お冷を半分呷って
淡々と
アイツが怪我をしたらしい
あの子が吹っ切れたらしい
まあ、どうでもいいことさ
どこにでもある話ばかりさ
きっと俺たちにも訪れるし
どこかの誰かにだって
同じように訪れることなのさ
子供の頃の夢を今でも覚えているんだよ
可笑しくて苦笑いが込み上げてくる内容さ
お冷を半分呷って
淡々と
俺は正義のヒーローになりたくて
お前は悪党の頭になりたいって言ってたよな
可笑しいね、まったく
そのくせ今でもこうやって
テーブルを挟んで喋ってるわけだからさ
人生なんてそんなものさ
平凡で、単純で、退屈さ
未来の俺たちについて考えてみよう
どんなことでもいいさ
お冷を半分呷る
――空っぽだった




