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【書籍化】落ちこぼれだった兄が実は最強〜史上最強の勇者は転生し、学園で無自覚に無双する〜  作者: 茨木野
第6章

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77.勇者、弟たちと合宿しにいく



 一学期が終了し、俺たちは夏季長期休暇に入った。


 夏休み1日目。

同好会サークル】のメンバーが、俺たちの屋敷に来ていた。


 カーライル家の庭にて。


「いくですよ、あにうえー!」


「おう、かかって来い」


 ミカエルの体が、まばゆく光る。


 その瞬間……消えた。


「「「消えた!?」」」


 エリーゼ、サクラ、そして弟のガイアスが目をむく。


 ガキィンッ……!


 俺の構えた剣と、ミカエルの【天の剣レーザーソード】がぶつかり合う。


「み、ミカちゃんが消えた!と思ったらユリウス君と斬り合って……ああまた消えた!」


 ミカエルは超高速で動き、四方八方から俺に攻撃を加えてくる。


 キンキンキンキンキン!


「は、早すぎて見えへん……分裂してるんあれ……?」


「いや、ただの残像だよ……たぶん」


 ガキキンッ! キンキンッ! ガギンッ!


「うわぁあああああ!」


 ミカエルは背後に吹っ飛び、屋敷の壁に激突する。


 ドガァアアアアアアアアン!


 衝撃で屋敷が半壊する。


「み、ミカちゃーん! だいじょうぶなのー!?」


 エリーゼが目をむいて叫ぶ。


「問題ないです、えりちゃんっ」


 バサッ……と翼を広げて、ミカエルが俺たちの元へやってくる。


「やっぱりあにうえは強いです! すごいですー!」


 俺の腰に、義弟が抱きつく。


「兄さん、ミカエルは何をやっていたの?」


「え、【光体術こうたいじゅつ】だろ?」


「「「こうたいじゅつ?」」」


「存在を一段上げて、光そのものとなり、光速移動を手に入れる技術……え、これくらい一般教養だよな?」


「「「んなわけあるかっ!」」」


 俺はミカエルとともに首をかしげる。


「なぁミカ、普通だよな?」


「はいですあにうえ、じょーしきです」


 残り3人が、ぐったりした表情で肩を落とす。


「ユリウス君……すごすぎる……」


「次元が違いすぎるわぁ。ほんま旦那様は恐ろしい御方やでぇ」


「まったく兄さんは無自覚にすごいことするんだから。あ、壊れた屋敷直しておくね」


 ガイアスがスッ……と右手を伸ばす。


 半壊した屋敷を、弟が【疑似・創生魔法】を使って、元に戻す。


「「ちょっと待った!」」


「え、な、なんだよ……」


 女子2人に、ガイアスが気圧される。


「あんたもちょっと人間離れした技つかっとるで?」


「え……そ……そうかな?」


「壊れたもんあない簡単に直せるかっちゅうに。いつもお兄さんと義弟ちゃんを人外扱いするけど、あんたも大概やで」


 ガイアスはショックを受けたような表情を浮かべ、その場にしゃがみ込む。


「……化け物2人に囲まれてて、気づかなかった! ボクも同じカテゴリーに入れられるなんてっ!」


 なぜか知らないが、ガイアスは自分の頭をガリガリかいていた。


「しかしユリウスはんもミカちゃんも強すぎて、戦い方あまり参考にならへんわぁ」


「そうだね、別格って感じ。ちょっと自信なくしちゃうなぁ……」


「……ちっ。意識の低い女どもだな。それでも兄さんの同好会サークルに所属するメンバーかよ」


 弟のついた悪態に、サクラたちがムッ……と顔をしかめる。


「ガイアス。友達にそんな口の利き方、駄目だろ?」


「誰が友達だよ。こいつらは単なるサークルの知り合いに過ぎないよ」


 ふんっ! とガイアスがそっぽ向く。


 うーん、弟がふたりと仲良くなればいいなと思っていたのだが。


 一学期では、まったく仲が深まっていない。


 弟が孤立するのは、兄としていかんともしがたい。


 なんとかしてやれないだろうか……。


「ところでユリウスはん、合宿のことなんけどな」


 サクラが俺に近づいてきて言う。


「【カシクザキ】っちゅー、海に近い街どうかな思ってるんやけど」


「カシクザキ……どこそこ?」


「王都から南西に下った先にある海辺の街や。温泉もあるしええ街やで」


 なるほど……そこなら遊ぶところが多そうだ。


「いいじゃん、そこにみんなで行こうぜ」


「「さんせーい!」」


 エリーゼとミカエルが笑顔で手を上げる。

 一方で、ガイアスが柳眉を逆立てていう。


「ボクは遊びになんて行かないよ」


「なんでだ、弟よ?」


「遊ぶ暇なんてないよ。ボクは1秒でも早く兄さんに近づきたいんだ」 


 向上心があることは、立派だと思う。


 俺はガイアスのチャレンジ精神にはいつも感心させられる。


「けどなガイアスよ。体を鍛えるだけが、強くなることじゃないぞ」


「はぁ? なにそれ、意味わからないよ」


 うーん……なんて説明したら良いのだろうか。


 ガイアスは、確かに強い。

 だが、まだ【足りない】のだ。


 それは腕っ節の強さじゃ決してない。

 もっと概念的な……こう……上手く説明できないけど。


「とにかくボクは遊びになんていかないよ」


「え、じゃあお前一人になっちゃうけど?」


「なっ!? 兄さん、こんなメスどもと、一つ屋根の下で寝泊まりするのかよ!?」


「てい」


 ぺちんっ。


「メスとか言うな。友達……だろ?」


「誰が! だってこいつらはボクから兄さんを奪……」


「俺を? うば?」


「~~~! とにかく! ボクの目の届かないとこでこいつらと一緒に過ごすのは禁止!」


 ぐいっ、とガイアスが俺の腕を引っ張る。


「部外者は帰りなよ。兄さんはボクのものだ。ボクと一緒に居るんだ」


「はぁ? あんた何勝手に決めてるん?」


「そ、そうだー! ユリウス君はわたしたちと海に行くんだもんね!」


 左右から女性と弟に挟まれる。


「あにうえモテモテです?」


 義弟が俺の腰にずっとひっついたままだ。

 うーん……遊びばっかりじゃだめか。


 それだとガイアスが合宿に来てくれないし……。


 かといっていつも弟たちとやってる修行では、エリーゼ達がついて来れない。


「そうだ、みんな【冒険者】やってみないか?」


「「「冒険者?」」」


 弟たちが、首をかしげる。


「依頼を受けてモンスター倒したり、ダンジョンに潜って貴重なアイテムを取ってきたりする便利屋みたいなもんだ」


「いや……それは知ってるけど、なんで?」


「みんなには実戦経験が足りてない。受動的に俺から教えを受けるだけじゃ上の段階へは行けない。能動的に問題に対処できる力を身につけるべきだ」


「「なるほどっ!」」


 女子チームは割合、あっさりと納得した。

 だがガイアスは、嫌そうな顔で言う。


「何で今更モンスターを? ボク魔族は普通に倒せるんだよ」


「ガイアス。これも修行だ。しかも、おまえにこそ必要なものだ」


「ボクにこそ……?」


 ガイアスは強くなった。

 だが、弟はまだ、【大切なことに】気づけていない。


 冒険者をみんなでやるなら、きっと見つけることができるはずだ。


「……わかった。冒険者、やるよ。みんなについてく」


「え、結構あっさり承諾したな」


 もっとごねると思っていた。


「だって兄さんが最良と判断したんだろ? ならボクは、あなたを信じるよ」


 ふっ……と淡く微笑むガイアス。


「むー、あにうえー! ガイアスとばかりイチャイチャしないでほしーですー!」


「なっ!? へ、変なこと言うなよミカエル!」


 後ろで控えていたエリーゼ達が、ミカエルに同調する。


「そ、そうだぁ! ユリウス君はみんなものだー!」


「あんた独り占めはよくないで弟君?」


「う、ウルサい黙れ!」


 とまあ、かくして。


 俺たちは海辺の街へ合宿に行くこととなり、そこで冒険者をすることになったのだった。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] まったく兄さんは無自覚にすごい子とするんだから。あ、壊れた屋敷直しておくね」 すごい子?!いや弟路線あるだけでもすごい子w
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