246.
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
屍の山を越え、さらに奥へと進む。
不意に、気配が途絶えた。
先ほどまで肌を刺していた無数の殺気も、足元の岩肌の感触さえもが、曖昧になる。
そこには、濃密な「闇」が鎮座していた。
獣でもない。
人型でもない。
不定形の、黒い霧のような塊。
それが通路を塞ぐように揺らめき、ガイアスの行く手を阻んでいる。
(……なんだ、あれは)
ガイアスが足を止めた、その瞬間だった。
ザシュッ!
警告もなく、ガイアスの頬が裂けた。
赤い鮮血が飛び散り、遅れて鋭い痛みが走る。
「……ッ」
ガイアスは大きくバックステップを踏み、距離を取る。
今、何が起きた?
奴は動いていなかった。
予備動作も、筋肉の収縮も、殺気の膨張さえもなかった。
ただ、そこにあった空間そのものが、突如として刃に変わったかのような不可避の一撃。
(視えなかった……?)
いや、違う。
神眼は捉えていた。だが、情報が処理できなかったのだ。
この敵には「形」がない。
関節もなければ、筋肉もない。
だから、生物的な法則に基づく「未来予測」が通用しない。
ズズズ……。
黒い霧が嗤うように変形する。
無数の鞭になり、槍になり、あるいは巨大な顎となって、全方位からガイアスを飲み込もうと迫る。
物理攻撃が通じる相手ではない。
動きを読むこともできない。
まさに、相性最悪の捕食者。
だが。
ガイアスの瞳から、光が消えることはない。
(――構造を、変更する)
彼は瞬時に思考を切り替えた。
動き(未来)が見えないなら、動きを作る「根源」を見ればいい。
ガイアスは意識を集中させる。
眼球に流れる魔力を極限まで高め、物理的な視覚情報を遮断。
より深く、より根源的な「理」を視るモードへとシフトする。
世界の色が変わる。
闇の塊が、無数の光のラインへと分解されていく。
(……視えた)
不定形に見えるその身体にも、確かに「核」があった。
流動する霧の中で、一瞬だけ輝き、移動を続ける極小の魔力核。
あれが本体だ。
霧の変形も、攻撃の生成も、すべてあの核からの命令信号によって行われている。
ならば、その信号を逆算すればいい。
ヒュンッ!
再び、霧の一部が槍となってガイアスの心臓を貫こうと迫る。
だが今度は、ガイアスは動じない。
最小限の動きで首を傾け、死の切っ先を紙一重で回避する。
「そこか」
ガイアスが低く呟く。
もはや、その動きは完全に掌握されていた。
どんなに形を変えようと、核が動く軌道には法則がある。
その法則さえ解き明かせば、それはただの「的」でしかない。
ガイアスは地面を蹴った。
回避行動ではない。
迎撃だ。
迫りくる闇の刃を、素手で払い除ける。
その向こう側にある、唯一絶対の急所へ向かって、ガイアスは静かに掌を突き出した。
「さぁ、反撃の時だ」
【おしらせ】
※2/2(月)
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