240.命の危機
修行中のガイアス。
すべてを失った状態で、奈落の地下を歩いて行く。
「体が……とてつもなく重く感じる……どうなってるんだ……」
まるで鉛のように、体が重いことに、ガイアスは気付く。
「くそ……どうなってる……特殊な重力場でもでているのか……?」
周囲を見渡しても、視力を奪われてるため、わからない。
重力はそもそも見えるものではないが……。
彼は暗闇のなか、明らかな、体の異常を感じ取っていた。
ずる……ずる……と重い体を引きずっていく。
「こんな体じゃ……まともに戦えない……」
ここはダンジョン。魔物が出てもおかしくない、というか確実に出る。
だが……こんな状態で戦って、勝てるわけがない。
治癒魔法が使えないのだから。
身体強化も使えないのだから。
「…………」
「ぐる……グルァアアアアアアアアアアアアア!」
魔物の声が、すぐそばから聞こえてきた。
音のするほうへ体を向ける。
……かたかた、と震えている。なにが?
自分の体が……である。
自分の得意、自分の使える力をすべて封じられてる。そんな状態で……奈落の化け物に、勝てるわけない。
だから……震えてるのだ。
「グラァアアアアアアアアアアアアアアア!」
魔物の咆哮を聞いて、ガイアスは身の危険を感じ、その場にすぐさま伏せる。
ガオン……!
……空気が裂ける音がした。
つつうぅ……と彼の額に、脂汗が流れる。
「しぬ……死んでしまう……!」




