198.妹、正式加入
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
《ガイアス視点》
みんなでバーベキューをしてる。
ルシフェルが帰っていった後、ガイアスはため息をついた。
(未だ、あの学園長の目的が見えてこない……あの人は何がしたいんだ……?)
前の学園長は、わかりやすいやつだった。
兄を魔王にして、そして魔を率いての世界征服。
だが……今の理事長ルシフェルは、目的がさっぱりわからないのだ。
対校戦等での暗躍、そして……今回の精霊騒動もそうだ。
裏で糸引いているのは彼なのは確定的なのに、何がしたいのかが見えてこない。
「ほれミカエル~。肉が焼けたぜ!」
「わーい! あにうえの肉ぅ~」
兄はいつも通り、超然としてる。
来るなら来いのスタンスだ。
一方で、ガイアスはあれこれ考えてしまう。
兄との最大の違い。兄は強者の思考をしてるのだ。
何が来ても、まあなんとかなるだろう、という楽観的思考。
しかしそれは、圧倒的強さが裏にあるからこそ、持てる……強者ゆえの考え方。
ガイアスには決してないものだ。
彼は自分が兄に劣ると思っている。だからこそ……いろいろ考える。弱者の考え方……。
(いや……ひがんでちゃいけないな)
ガイアスはすぐに思い直す。
こうやって落ち込んでも、何の意味もない。
うつむくより、前を向く。
(もう少し情報収集しないと……)
「あの……」
誰かが、話しかけてきた。
振り返ると、そこには、勇者神の妹、マーテルがいたのだ。
今のマーテルからは敵意をまるで感じない。
彼女はガイアスを見ると、ぺこっと頭を下げる。
「あなたにも、ご迷惑をおかけしました。申し訳ありません」
「あ、ああ……いいよ。別に。事情は把握したし」
本心から出た言葉だ。
この子は理由もなく怒ってわけではない。
「むしろ、こっちこそごめん。兄さんが無神経すぎて」
「…………」
きょとん、とした顔になるマーテル。
「なんだよ?」
「いえ……あなたも、勇者なのですね」
「はぁ……? なんだよそれ」
「なんでもありません。お兄様があなたを気に入る訳が、ちょっとわかっただけです」
「こっちは何にもわからないんだけど……」
でも、謝っているのはわかった。
謝ったらそれでいいじゃないか。
「ガイアス……兄さん」
「え?」
「な、なんでもないですっ!」
ぶんぶんと首を横に振るマーテル。
兄さん……なるほど、兄として接したいのだろう。
「いいよ、ガイアス兄さんで」
「い、いいのですか……?」
「うん。できの悪い弟ともども、よろしくね」
「ぼくのことじゃーでしょーねー?」
ミカエルがぶーぶー、と文句をたれる。
「おまえ以外に誰がいるんだよ、ミカ」
「ガイアスは兄ぶるなです! 兄はあにうえ一人でじゅーぶんですぅ!」
そんな二人のやりとりを見て、マーテルがうれしそうに笑った。
「ガイアス兄さん。ミカエル兄さん。これから、よろしくお願いします」
にっ、とガイアスたちは笑ってうなずく。
「「うん、よろしく!」」
こうして、ユリウス一家に、末っ子のマーテルが、正式に加わったのだった。
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