176.妻妻同衾
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
妹精霊マーテルが襲撃してきた夜。
俺は、ガイアスの部屋の前にいた。
「一緒に寝ようぜ!」
「帰れ!!!!!!」
ばたん!
ばきぃい!
「お、結界の展開が上手くなったなぁ」
ずかずか。
「何ナチュラルにドアぶち破って、ボクの展開した結界までぶち破って中に入ってくるのさ!」
「でゅふふふふう~♡ ガイアスさんの中に入ってくる……ユリウスさん……ガイ×ユリでゅふ♡」
「ダンタリオンさんまで!」
いつの間にかダンタリオンが俺の隣にいた。
「お、いたのか」
「ええ。でゅふ♡ 芳醇な腐の香りがしたもので、でゅふ♡」
何じゃその香り……?
まあいいか。
「それで、一緒に寝ようってどういうことなのさ」
「このままじゃ死ぬからさおまえ」
「は、はぁ……なにそれ、意味わかんないんだけど」
そういやまだ教えてなかったな。
「精霊の厄介なところに、無意識領域に侵入してくるってとこがあるんだ」
「無意識領域?」
「ま、心の中って言えばいいかな。やつらに物質、非物質の境目はないんだ。相手の無意識領域……心の中に入ってきて、その人物の人格を破壊する、みたいなこと普通にしてくるんだよ」
「こわ!!!!!!! 精霊ってそんな怖いことすんの!?」
「ま、一部の上位精霊、しかも人間に害をなす系のやつらはな。そいつらは邪霊って呼ばれてる」
「邪霊……」
邪霊は実に厄介なんだよな。
物体ないし。無意識領域に入ってこられたら、常人じゃなすすべなく心を壊されるし。
「マーテルも邪霊なの?」
「いや、あいつは違う。けどあいつの仲間に邪霊がいるかもしれねえ」
理事長は、転校生を連れてきたと言っていた。
そして、SSクラスっつー、怪しげなグループを作った。
「SSクラスにマーテルが含まれてるってことは、そこに邪霊がいるかもしれない。マーテル同様、おまえを狙ってくるかも」
「なんでボク……あいや、待って。言わなくていいよ。今までもそんな感じだもんね」
魔族のときもそうだったが、どうやらガイアスは勇者神の弱点だと思われてるらしい。
だから直接俺じゃあなくて、ガイアスを狙うと。なんつーやつだ。
「だから、これから寝るときはそばにいる。おまえが無意識領域に精霊を入れない技術を習得するまではな」
「……まあ、理屈はわかったよ。けど……これから、毎晩?」
「おう。毎晩」
「さ、さすがにそれは……恥ずかしいよ……」
顔を赤らめて、もじもじするガイアス。
まあこの年になって兄ちゃんと一緒にねるのは照れくさいのかもしれないな。
「でゅふふ♡ 続けてどうぞ……わたくしは天井裏から見守ってますので」
「? 何言ってんだ。おまえも一緒に寝るんだぞ」
「ふぇえええ!? な、なぜでございますか!?」
なぜってそりゃ……。
「おまえも狙ってくるだろうからな、邪霊どもは。どっちも俺の嫁だし」
「ボクを兄さんの嫁扱いすんな! そ、そんなこと言うなら、ミカはどうなるんだよ!」
「ミカは天使だ。精霊が入れるのは、人の心だけだし」
ダンタリオンは悪魔だったが、それはもう昔のこと。
今は人間に転生してしまってる。
「つまり、兄さんに近しい存在で、人間なのはボクとダンタリオンさんだから、一緒にねると?」
「そういうこと。んじゃ、ほら、寝るぞー」
俺はガイアスのベッドに横になる。
ダンタリオンがおずおずと、俺の右隣に。
「ほらガイアス。ほらほら」
「うう……わかったよ」
ガイアスが左隣りで横になる。よしよし。
「ふぉぉおおお……これはが、眼福ですがぁ。でゅふ、わたくしの心臓が持ちませんぅうう!」
「さ、寝る寝る」
ダンタリオンはきゅうっと目を閉じて言う。
「ああ、ガイアスさん申し訳ありません。古来より百合の間に挟まる男は死ねといいます。わたくしはどうか、薔薇の間に挟まる女、いや、鉢植えとでも思ってくださいまし。どうかわたくしのことはいないものとして、いちゃついてどうぞ!」
ガイアスが大きくため息をついた後、「明日は邪霊への対策教えてよね」とつぶやくのだった。
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