表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/237

13.勇者、使い魔召喚で魔王を呼ぶ



 最初の授業は、グラウンドで執り行われることになった。


「本日は、【従魔召喚サモン・サーヴァント】の授業を行う」


 魔法学の先生が、同級生たちを見渡して言う。


「サーヴァント?」

「使い魔のことだよ、ユリウス君」


 エリーゼが笑顔で答えてくれる。


 今朝助けて以降、彼女から積極的に会話してくれるようになった。


「1年生になると自分の使い魔となるモンスターを呼び寄せる儀式を執り行うの」


「へえ、エリーゼは物知りだな」


「えへへっ、そうかなっ♡」


 髪を切ってから、彼女は性格だけでなく、見た目も180度変わった。


 大きくぱっちりとした二重。

 背筋を伸ばすようになり、彼女の大きな乳房が目立つようになった。


「従魔は己の素質や将来性に見合った生物が、古今東西より呼び出される。偉大な人物の従魔は、それにふさわしい威容をもった生物が召喚された」


 なるほど、自分の強さや将来性を具現化したようなものなのだな。


「では儀式を行う。呼ばれたものは【従魔召喚陣】の前までくるように」


 グラウンドには、魔法陣が敷かれてる。


 2000年前にはなかった術式が使われているようだった。


 生徒のひとりが、魔法陣の前に立ち、両手を前に出す。


「魔力をこの円に込めろ。従魔が召喚される」


 生徒が魔力を流すと、魔法陣がカッ……! と発光する。


 すると、そこに白い狼が出現した。


「【白狼ホワイト・ウルフ】。レベルは……15か。平均的だな」


 火蜥蜴のときもおもったけど、魔物のレベルもなんか落ちてないか?


「先生! 次はこのボクに! やらせてください!」


 気合い十分で前に出たのは、我が弟だった。


「見てろよ出来損ないのクズ兄貴! ボクが……すごい従魔を召喚し、おまえを見返してやるッ!」


 バッ……! とガイアスが魔法陣に手を伸ばし、魔力を流す。


 カッ……!

 

「おおっ! これは素晴らしいッ! 鷲獅子グリフォンじゃないか!」


 上半身がワシ。

 下半身がライオンの従魔だ。


「天空の覇者とも言える存在! レベル50!」


「どうだ兄さん! これが次期当主の真の実力だ!」


「え? この程度が?」


 レベル50って、中堅冒険者がソロで余裕で倒せるくらいの強さだぞ?


「なら兄さん、ボクよりすごい従魔、もちろん召喚できるんだよねっ?」


「うーん、どうだろうな」


 俺は魔法陣の前に立つ。

 

 全集中を使って、魔力を流す。


 ゴォオオオオオオオオオオ!


「なっ!? なんだこの光の柱はぁ……!」


 グラウンド全体を覆い隠すほどの、強烈な光があたりを照らす。


 ややあって、俺の従魔が召喚された。


「りゅ、竜だぁ!!!」


 先生は尻餅をついて、そいつを見上げる。


 この広い校庭と同じくらいの体格を持った、巨大な竜がいたのだ。


「そ、そんな……またボクは負けたのか……! くそっ! くそぉおおお!」


 しかし誰も弟を見ていない。

 彼らの注目は、俺の従魔に集まっている。


「れ、レベルの測定不能!? いったいなんなのだ、この従魔は!」


「え? おまえら【こいつ】知らないの?」


『無理もない。我の名を知ってはいても、実物を見たものは少ないだろうからな』


「「「しゃ、しゃべったぁ!?」」」 


 先生も生徒も、いっせいに愕然とした表情になる。


「そんな馬鹿な!? 知性のある従魔なんて聞いたことがないぞ!」


「というかレベルが計れない時点でおかしいって!」


「それを呼び出したユリウスは……いったい何者なんだ!?」


 大げさに騒ぐ生徒達を見て、竜は笑う。


『これは驚いた。世界を救った人間を知らぬとは! のぅ、勇者よ?』


 俺が従魔として召喚したのは、【魔王ヴェノムザード】だった。

面白いと思っていただけましたら、下の【☆☆☆☆☆】からポイント評価をしてくださると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] wwwwww この世界に送ってくれた張本人きちゃったの? 知合い増えて良かったね でもなぜ竜。魔王て竜だったのか 人型の魔族みたいの想像してた
[良い点] 展開がワンパターンすぎてギャグ漫画読んでる気分。
[一言] なんで魔王www
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ