↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】落ちこぼれだった兄が実は最強〜史上最強の勇者は転生し、学園で無自覚に無双する〜  作者: 茨木野
第10章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

125/250

125.勇者、午後の試合に挑む



 対校戦2日目、午後の部。


 俺たちは闘技場のグラウンドに集まっていた。


「あにうえー。そう言えば今順位と得点ってどーなってるです?」


 俺に肩車されている義弟が、ぺちぺちと頭をたたいて言う。


「そう言えば、競技に必死でよーおぼえとらんかったわ。どない感じやったっけ?」


「え? 1位王立、2位帝国、3位は神聖皇国と東部連邦が同列だぞ」


「「「は……?」」」


「得点の内訳は、

王立が1位が3回・失格1回で+4点。

帝国は2位が3回・3位1回で+2点。

皇国は1位1回・3位1回・4位2回で-3点。

東部は2位1回・3位2回・4位1回・失格1回で-3点だな」


 ちなみに1位をとると+2、2位で+1、3位で-1、4位で-2点だ。


 王立のメンバーが、ぽかんとした顔になる。


「ぜ、全部覚えてるの、兄さん?」

「おう。各種目の順位と試合内容も全部覚えてるぞ。秒単位で出来事をそらんじることできるけど……え、みんなもちろん覚えてるだろ?」


「「「覚えてないよ!」」」


「おー、ひさしぶりに王立がツッコんだです。最近あにうえっててツッコみおろそかだったです?」


 はぁーとみんながため息をつく。


「やっぱり兄さんは別格だね。ボクらは目先の試合のことだけでいっぱいいっぱい」


「さすがユリウスくん! いつも余裕があってすごいね!」


 うんうん、と感心したようにみんながうなずく。


「え、これってすごいことか?」

「あにうえが絶好調にあにうえってるです。さすうえです!」


「なんだよ、さすうえって……」


 はあ、とガイアスがため息をつく。


 ほどなくして、理事長がグラウンドに降りてくる。


『それではぁ、2日目午後の部を競技を始めまぁす』


 各学園の選手達が、グラウンドに整列している。


「兄さん……ヒストリアが」

「ああ、いないな」


 彼女の姿が見えない。

 先頭に立つダンタリオンを見やると、ふるふると首を振った。


「あちこち探したけど行方がわからないって言ってるな」


「は? なんでそこまでわかるの?」


 後ろに立つガイアスが、目を丸くする。


「え? 目を見れば相手の心の声って聞こえてこない?」


「こないよっ! てゆーか……ふーん、へぇ、すっかり仲良しなみたいだね!」


 げしげしっ、とガイアスが俺の足を蹴飛ばす。


「腐腐腐……ガイアス様が……後ろから……ユリウス様を……腐腐腐……♡」


 それはさておき。

 理事長が種目について説明する。


『午後は【五種競技】を行いまぁす』


「五種競技?」

「あにうえー、ごしゅきょーぎって?」


『それを今からワタシが説明するんですよ、ミカエルくん』

「旧兄上には聞いてないです」


 理事長の説明によると、以下の通りだ。

①各校1名ずつ、それぞれ1種の競技に出る。

②競技にはそれぞれ【実技点】と【芸術点】が設置してある。

③五種終わった時点での実技と芸術の合計点で、最終的な順位が決定する。


『概要としてはこんな感じでぇす。次に種目を説明しまぁす』


1.射撃

2.馬術

3.フェンシング

4.スキージャンプ

5.フィギュアスケート


「上4つはわかるやけど、フィギュアスケートに実技点なんてあるん?」


『氷上で戦ってもらいますのでねぇ』


 どうやらそれぞれ特殊ルールみたいだな。

『最後に重要なことをお話ししまぁす。この五種競技は【能力が平均化】されまぁす』


「能力の……平均化?」

「あにうえー、平均化ってー?」


『それを今からワタクシが説明を』

「旧版はすっこんでるです?」

「ミカやん理事長のこと嫌いすぎひん?」


 こほん、と理事長が咳払いをする。


『この競技内では5人の選手の能力値(ステータス)を合計して、均等に割り振った数値が選手の能力値となりまぁす』


「いまいちよくわからないです? 旧は駄目ですね」


『皆さんに魔法の腕輪をくばりまぁす。これによって魔力や筋力など、個人の能力を数値に変換。それを合計して5で割った数値が、競技内でのステータスとなります』


「やっぱりわからんです。これだから古い兄上はいかんです」


 俺はミカエルを見て言う。


「ようするに、チーム内で力をわけあうってこと。高いヤツは低いヤツに力を渡して、みんな平等になるように調整するんだ」


「おー! わかりやすい! さすがあにうえ! 本家は違うです!」


「いや、ミカやん、本当のお兄さんはあっちちゃうの?」


 理事長が生徒たちを見渡す。


『これは個人種目を5回やるわけではありませぇん。あくまで複合競技。種目ごとに能力差があってはいけませんからねぇ』


 さて、と理事長が言う。


『30分後に第1種目の【射撃】をはじめまぁす。それまでは各校作戦を練ってくださいねぇ』


 王立は話し合った結果。


「まずはぼくー! ぼくが【射撃】! ぼくが1番だからねー!」


 ぴょんぴょん、とミカエルがジャンプして言う。


「ミカちゃん、張り切ってるね! どうして?」


「最近ぼく、活躍できてないです。がいあすばっかり美味しいとこもってくです。あにうえに褒められて……羨ましい!」


「別にそんなことないだろ……」


 ガイアスがため息をついて言う。


「最初はぼく! 頑張ってあにうえに褒めてもらうです! おー! です!」

 

「そっか。よし、ミカ頑張れ」


 わしゃわしゃ、と義弟の頭をなでる。


「うん! ぼくがんばるです! がんばったらごほーびほしーです!」


「ちょっ、図々しいよ。兄さん、駄目って言って」

「え、別に良いけど?」


 ぱぁ、と義弟が笑顔になる。


「やったー! じゃあごーびに【ちゅー】してほしーです!」

「はぁあああああああ!?」


 ガイアスが素っ頓狂な声を上げる。


「ふざ……ふざけんなよ! なにそんなバカなことお願いしてるんだよ! 兄さん言ってやって!」


「え、別に良いけど」


「わーいやったー! あにうえ大好きー!」


 ミカエルが俺に抱きついてくる。

 ガイアスはギリギリ……と歯がみする。


「ふーん、へー、ふーん」

「だからおまえ、何怒ってるんだよ」


「べ・つ・に! ふんだっ! ボクにはしたことないくせに!」

「「「え?」」」


 ぬっ……とガイアスの背後に、ダンタリオンが出現する。


「ガイアス様……素直に……なってください……」

「急に背後に立つなよ! びっくりするだろ!?」


 ぱっ、とダンタリオンが離れる。

 でへへ、とだらしのない顔で言う。


「失礼……濃厚な……腐のオーラを……感じ取って……つい……」


「なんだよ腐のオーラって、てゆーか作戦会議中なんだから離れろよ」


「ガイアス様……意固地になるのは……よくありませんよ?」

「そりゃ……まあ……」


「力を抜いて……リラックスすれば……痛くありませんので……」

「何の話してるんだよおまえはぁ!?」


 ぐいぐい、とダンタリオンをガイアスが押す。


 一方で、帝国のメンバー達が、暗い顔をしていた。


「アンチ様……ごめんなさい……」

「どうしたのかね、君たち?」


 銀髪の青年、アンチの周りには、他の帝国のメンバーである女子生徒達が集まっている。


「わたしたち、アンチ様の足手まといですから……」

「能力値が平均化されてしまったら、アンチ様のステータスが下がってしまいます」


「ただでさえ相手は強敵揃いなのに……私たちのせいで、アンチ様に迷惑をかけてしまうことになります……」


 たしかにあのメンツのなかで言うなら、アンチが1番高い。


 平均化のあおりを受けるのは、彼ひとりだろう。


「君たち、何を暗い顔しているのだね?」


「「「「え……?」」」」


 真面目な顔で、帝国のメンバー達を見渡す。


「僕は君たちを足手まといと思ったこと、一度もないよ」


「し、しかし……今のままでは負けてしまいます」

「そうしたら、私たちのせいで負けたのに、皇帝の息子であるアンチ様が一番非難されてしまいます」


 ふう、とアンチがため息をついて言う。


「バカなことを言うんじゃあないよ君たち。いいかい? 僕はチームのリーダーだ。君たちの落ち度はすなわち、僕の全責任だ」


「「「「そんなこと……」」」」


「チームの成功はみんなで分かち合い、チームの失敗はリーダーが責任を負う。組織の上に立つ人間とは、そういうものを言うんだよ」


 だから、とアンチが力強く言う。


「負けることは恥じゃない。あの化け物たち相手に逃げずに立ち向かっている、君たちの勇気に僕は敬意を表する。さすが、誇り高き帝国のメンバーだ」


「「「「アンチ様……!」」」」


 女子生徒たちが涙を流して、アンチに抱きつく。


「みんな、見せてやろう。我ら帝国の、誇りを胸に戦う姿を!」


「「「「はいッ……!」」」」


 アンチの激励で、やる気をなくしていた生徒達が、元気でたようだ。


「さすがアンチ、見事なリーダーっぷりじゃないか」


「フッ……と、当然さ。ぼ、僕はいずれ帝国を背負って立つ男だか、だか、だからね……」


 よく見ると、アンチの膝が震えていた。

 部下の前では、緊張を隠していたのだろう。


 なんだかんだ言って責任感も強いし、根性のあるこいつを、俺は気に入っている。


「アンチ、ちょい後ろ向け」

「? なにかね?」

「てい」


 ズブッ……と俺はアンチの肩に指を突き刺した。


「いったぁあああああああああい!」


 彼がびっくりするほど大きな声を上げて飛び上がる。


「何をするのかね何を!?」

「緊張をほぐしてやろうと思って。ツボを押したんだ」


「まったく……って、あれ? たしかに緊張が解けたよ。それに、なんか妙に身体が軽いような……」


 くるくる、とアンチが肩を回す。


 ま、これくらいなら不正にはならんだろう。


「すまないね、ユリウス。緊張をほぐしてくれて。礼を言うよ」

「気にすんな。万全の状態でお互い戦わないと意味ないだろ?」


 フッ……とアンチがかっこつけて言う。


「当然だね。手心を加えるんじゃあないよ。それは僕らに対する侮辱にあたるからね」


「おうよ。誰が相手でも全力で戦うよ」


「し、しかし殺すのはなしだからね。全力と言っても殺さない程度でだからねほんとお願いするよ君ぃ!」


 かくして、対校戦2日目、午後の部の競技がスタートするのだった。


【※お知らせ】


新連載、始めました!


「騎士団長は最強に生まれ変わった~腑抜けたおっさんと蔑まれてきた俺、ダンジョン奥地で部下に裏切られ全てを失ったが、賢者の元で修業し最強となって自由に生きる」



【作品URL】


https://ncode.syosetu.com/n1466gm/


頑張って書いたので、よろしければぜひご覧ください!


また、広告の下に作品のリンクも貼ってあります!

タイトルを押せば飛べるようになってるので、ぜひ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] アンチ△ 紳士っすねー。ユリウスとはまた違ったいい男ですね。つーか第一印象を引きずりながらいいキャラにしてるのがスゴい。
[一言] ミカが旧兄上にめっちゃ厳しい所が良い。 ちょっと可哀想ともおもったり、、、
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。