表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

MY song

いちまい、足らない

作者: caem


 どうしてそうなってしまったのか


 ただ 繰り返すしかなくて




「一枚、二枚、三枚、四枚……」




 まるで独り言のように ぶつぶつと


 何度も 何度も




 ある程度行ったにも拘わらず


 また 振り出しへと戻ってしまい




「一枚、二枚、三枚、四枚……」




 仄かに突き刺さる月明かりだけを頼りに


 じめじめとした井戸のなかで




 ひび割れた唇は


 そのなかを真っ赤に満たしてゆく




 純白だった着衣は どろどろになり


 もう 乾くのも許さないほどに




 ようやく辿り着いたのか


 こびりついた前髪を開き


 これでもかといわんばかりに


 眼をカッ開いて そして叫んだ






「……1枚、足らないいいいいいッ!!!!」






 ただ窮まるきわまる




 一年の最後に咲き乱れて


 ほんのり注がれてくる


 情けを苛立ちに替えて





 ぴちょん


 ぴちょん





 滴る水滴は


 産声をあげた





 蝸牛は その足並みを止めない


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ